―おニャン子では誰が好きだったんですか?
五味岡たまきちゃんです。そう言うとマニアックすぎるって皆から笑われるんですよ。彼女が初恋の人なんですよ。五味岡たまきちゃんになりたいと思ったんですけど、「卒業します」も何もなく、いつの間にかいなくなっていたんでそれがずっとトラウマですね。
―(笑)。
またいつかこの子はいなくなるかもしれないっていうのがあるから、今のAKB48(秋元康プロデュースのアイドル養成プロジェクト)も行けるうちに全部行っておこうみたいなところがある訳ですよ。色んなものの時間を調整して極力行ってますね(笑)。

―バンドで最初にやったのはどういった曲なんですか?
最初は高校の部活から始まって、コピーでエルビスプレスリーとかチャック・ベリーとか50'Sをやってました。

―高校生にしては渋いですね。
あんまりやっている人はいなかったですね。僕らはメタル世代なので、ガンズとかメタリカだったりとか。僕もやってましたけど、最初にやりだしたのはロックンロールなんです。一番好きなのがThe Whoで、The Whoを観たこともバンドを始めた理由の1つになんです。
―The Whoはどういう形で観られたんですか?
本当は格闘技で飯食ってこうと思ってたんですけど、腰を怪我してしまって、どうしたらいいだろうって思っていたんです。趣味程度で格闘技系の部活を続けていて、練習前にピザを食べに行ったんですね。上野のシェーキーズへ(笑)。そしたらビデオで流れてたんですよ、The Whoが。ピザ食べながら、「何だ、これは?!」って思って。最後にクレジットでThe Who "My Generation"て出て、The WhoがバンドなんだかMy Generationがバンドなんだかわかんねぇなと思いながらも(笑)、探してみようと思って、部活の後すぐCD屋行ってビデオを買ったんですよ。家で観たらやっぱり凄くて、そっから1日何回も何回も観るようになって、バンドやりてぇなって思ったんですよ。当時挫折してたところで、このまま格闘技を続けていても駄目だろうっていうのがあって、バンドやってみようかなと。
―コピーをやった後はオリジナルですか?
高校3年の時にオリジナルのバンドを初めて組みまして。それはメタルバンドだったんですけど割とすぐに解散して。大学に入ってまたコピーバンドをやってたんですけど、やっぱりオリジナルをやりたいなと思って、高校の時の知り合い関係でバンドを組んだという感じですかね。
―それがコロバ・ミルク・バーなんですか?
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そうですね。それが今に至るって感じです。

―最初にThe Whoから影響を受けてバンドを始めてからミクスチャーバンドに至るまではどう変わっていったんですか?
結局何でも好きなんですよ。最初エルビスから始めたのはなんでかって言うと、エルビス自体も好きなんですが、曲が簡単じゃないですか。だから高校生でもちゃんと出来そうっていうのがあってコピーしたんです。メタルも流行ってたんでメタルもコピーしましたし、それ以外にもその時々の流行はやってて、とにかくジャンル問わずですね。一番好きなのはアイドルなんでアイドルっていう線は揺るがずに来てるんですよ。アイドルって色んな音楽要素があるじゃないですか。これはファンクアレンジ、これはテクノアレンジとか。そこから元ネタを拾っていって「この曲はこれパクってるんだ」ていう楽しみ方とかしてましたね。音楽はジャンル問わず全部好きで、好きの種類が違うだけだと思ってるんです。だからどんな音楽性でも出来るようにしないとヤになっちゃうだろうなと思って。最初組んでたのがメタルバンドだったんですけど、メタルだけが好きな訳じゃないからってやめたとこもあって。最初から何にも囚われずに何でも出来るようなバンドにしちゃおうってことでミクスチャーなんです。

―パートはずっとボーカルなんですか。
そうですね、基本的にはボーカルですね。一通りやってはいるんですよ、ドラムとかも好きで。The Whoというかキース・ムーンを観てバンドやろうと思ったんで、やっぱりドラムが非常に好きで趣味でやってます。ドラマーとしてバンドやったりもしてますし。
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―ドラマーとボーカルだと上物と土台だからだいぶ違いますよね。
違いますね。1人でやっている分にはドラムの方が面白いですよ。でもライブをやった時にドラムは目立たないじゃないですか。目立とうとしても前に行けないんで結局寂しいんですよね。だからドラムは趣味でいいかなと、もって目立ちたいので。だったらボーカルじゃないですか。そういう理由ですね、ボーカルやっているのは。
―ステージでヌンチャクを使われるとか。
ギターソロの時皆ギターを観るのが癪なだけです。
―(笑)。
もっと俺を観ろよっていう意味で何かやろうと思って「あ、ヌンチャクやろ」って。「俺が、俺が」って感じですよ。
―そうですか? そんな感じしないですけどね。
どうですかね。一番目立ちたいっていうのは常にありますけどね。今はバンド全部がよくないと駄目だっていうのがわかっているから、ワンマンバンドな訳ではないし、皆がいてこその自分だと思っているから。
―バンド名になっているコロバ・ミルク・バーは「時計仕掛けのオレンジ」からですか?
何故その名前をつけたかっていうと「時計仕掛けのオレンジ」が20世紀最大の芸術作品だと思っている訳ですよ。話の内容しかり、映像しかり、音楽しかり、演技しかり。全て完璧で、しかも映画の出来として完璧じゃないところも含め完璧なんですよ。中だるみするんですよ、あの映画って。全部が完璧だとつまらないじゃないですか。駄目なところも含めて完璧なんですよ。完璧なものってゼロに等しいと思っているんですよ、100点は0点と一緒なんで。どっか欠けている部分もあるから美しいなって思うので。出てくる主人公の仲間達が4人組みなんですね。その4人組が非常にスタイリッシュでかっこいいんです。自分らも4人なんで、それでつけたっていうところはありますね。
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―「2001年宇宙の旅」は見たんですけど、あれを60年代に作ったってことがあり得ないですよね。映像とか21世紀の未来像とか。だから「時計仕掛けのオレンジ」も観てみたいんです。
観た方がいいですよ。僕は100回以上観ているんで、是非観て欲しいですね。何回観ても飽きないんですよ。観る度に新しい発見があるんですよ。
―何故何度も観たくなるんでしょう?
観ると想像意欲が掻き立てられるんですよね。だから掻き立てられなきゃいけない時に観ますね。例えば歌詞を書かなくちゃいけないのに書けない時とか。それで観ると観終わった後になんか浮かんできたりとかするんですよ。浮かんでこない時もありますけど、結構浮かんで来ることが多くて。高校の時に初めて観て「なんだ、これは?!」って思って以来毎日観てました。100回のうちの50回以上は高校の時に観てます。

―凝り性ですか?
全部凝り性ですね、結局。凝り性で飽き性なんですよね。
―アイドルは飽きてないですよね?
アイドルとバンドだけですね、飽きてないのは。アイドルは20年、バンドは10年飽きてないですね。
―音楽は聴いているものと演奏するものって同じテイストですか?
全然違いますね。やっぱり影響受けてその要素を取り入れたりすることはありますけど、同じ事をやるのはつまらないと思うので、これに影響受けているからこの音っていう風にはなりたくないっていうのは常にありますね。 |
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―自分の中で一度消化するって感じですか?
そうですね。うちのメンバーは聴いている音と演奏する音が一緒だったりするんですけど、各々趣味が違うので、うまいこと色んな要素が入ってきているかなと思います。
―コロバ・ミルク・バー主催のイベントもされていますけど、その時のコンセプトはどういうものなんですか?
僕達がイベントをする時に一貫してあるのはノンジャンルってことなんです。1つのジャンルでイベントを組がちじゃないですか? それはそれでいいと思うんですけど、それこそ閉じた世界じゃないですか。色んなとこにいいものがあるのに他のものを見る機会がないのは非常に面白くないと思うんで、だったら色んなのを入れて、観に来た人が新たな発見をして「こっちも面白い」ってなれば色んな世界がつながっていくと思うんです。自分が何でも好きなので。自分にもそんな好きじゃないものもありますけど、まずは1回観てみようと。とは言えそういう機会はなかなかないから、自分でやるしかないかなと思ってイベントやっています。
―イベントに出てもらう人の選択基準は自分が関心あるものですか?
そうですね。自分でも色んなライブに行きますよ。最近はAKB48にしか行ってないですけど(笑)。割と色んなの観に行きますね。行ったことのないものに誘われたら、行っておこうって。その辺は柔軟に動こうと思っているんで。
―1回は試してみたいって感じですか。
そうですね、何でも。やっぱり人生限られた時間だから。色々知っておきたいのもあるし。好奇心が旺盛っていうのはありますね。味わって体験してわかることって多いと思うし。 |
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―普通は自分が嫌いなものを見ないようにするじゃないですか。見えるところだけで判断しがちですけど、きちんと中まで見た上で判断されるところが真面目ですね。
それはアイドルオタクだからです。

―そうですか(笑)。
アイドルオタクって言うと、「えっ?!」とか「キモ」と言われる訳ですよ、大体。そういう迫害をずっと受けてきたんです。僕らが小学生の頃はまだアイドル全盛期でおニャン子クラブとか光ゲンジがいたんですよ。「アイドルが好き!」って言っても「いいよね」って言われてたのが、中学校に入ったらアイドルブームが終わってバンドブームが始まり、「アイドルが好き!」って言ったら「え−っ?!」って。それがエスカレートして、高校になったらアイドル好きな奴は人間じゃないぐらいの感じがあったんですよ。
―一般的にオタクって言われている人はクローズしていて、コミュニケーションが取り辛いイメージがあるんですよね。
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そういう人も多いんですけど、何故そういう人達がコミュニケーション取り辛い人になったかっていうと、周りがそういう人は気持ち悪いって決めてしまったからなんですよ。それとオタクの人も元々そういう人が多かったから。どっちもどっちだと思うんですよね。自分はその壁を取り払いたくって、アイドルオタクだっていうことを声高にしてます。
―好きなものは好きでいいんじゃないですか。誰かに迷惑かけている訳じゃなければ。
ほんとそうですよ。そこは重要なことですよね。迷惑かけてもないのに批判するのはおかしいじゃないですか。HIPHOPが好きで詳しいとかっこいいって言われるのに、アイドルが好きで詳しいと気持ち悪いって、「どういうことだ!」と思う訳ですよ。
―周囲にAKINO LEEさんみたいなオープンなアイドルオタクの人はいますか?
いますよ。最近のアイドルオタクはおしゃれになってきてますし。例えば超凄腕DJでアイドル好きっていう人もいます。あと観に来ている女の子もかわいいですよ。ハロープロジェクトのおかげでだいぶ増えましたね。ハロープロジェクト世代はアイドル好きって言っても、「えーっ」って言われないみたいなんですよ。しばらくアイドル冬の時代って言われてたんですけど、ハローによって春が来たって言われてます。でもまた下降しているので厳しい状況になっていってますけど。学校で音楽教えているんですけど、生徒達見てても「練習してます」って言う子ほどしてないんですよ。でもアイドルは強制的に練習させられるじゃないですか。だから「練習してます」なんて言わないし、寝る時間削って鬼のレッスンですよ。しかも見ず知らずの人が自分のこと彼女だと勘違いして来る訳ですよ。
―それ怖いです(笑)。
「私あなたの彼女じゃないです」って言いたいところだけど、仮想彼女として観に来るから仮想彼氏として相手しなくちゃいけないじゃないですか。それで万人に最高の笑顔を提供するなんて神じゃないと出来ないですよ。それだけで応援しなきゃなって思いますよ。
―色々試してた中で10年、20年続いているものがあるというのはよっぽどな出会いですよね。
アイドルを一生好きなのは間違いないですし、バンドもずっと続けるつもりですし、体力続く限りは。この2つは一生揺るぎないですよね。
―絶対的なものを見つけられてるってことがうらやましいです。最後に何か言いたいことはありますか?
とりあえずアイドルを観てくれってことですかね。自分のバンドを観に来なくていいんで(笑)。自分らはよく秋葉原でライブやっているんですけど、とりあえずAKB48を観に行けと。終わって金と体力に余裕があったら俺らも観に来いよって。で、打ち上げでAKBについて語り合おうぜ、みたいな感じですね(笑)。
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