ミュージックウェブマガジンばんび
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ミュージックウェブマガジン "ばんび"は、ジャンルを超えて音楽を楽しみたいと考えるGROOVE SITEです。
 
ばんびのアンテナに引っかかってきたミュージシャンを、ピンで解剖(紹介とも言う)しようというこのコーナー。
今回のゲストはThe FLAREのヴォーカリスト、YUNAさん。
ペリエ(?)、ジュース、日本茶、珈琲……気づくと何かしら飲んでいる。 バレンタインも近いことだし、と「チョコレート好き?」「ホワイトチョコレートがいちばん好き」。固形物も摂ってるんだ、ほっ。

その11. YUNA

 
―子どもの頃の話を伺おうと思うんですけどね、野生児だったってのはどういうんですか?(笑)
いやもう、本当に生傷が絶えない子どもでしたよ。
―喧嘩じゃないですよね?
喧嘩はね、中学上がってから(笑)。小学生くらいまでは、本当にやんちゃだった。覚えてるもん、自分で。いっつも血を流しながら家に帰ってきて。上に兄貴と、その上に姉貴がいるんですけど、いつも絆創膏貼ってもらって。っていう話を、最近飲みながら話しました。
―3人兄弟の末っ子ですか。可愛がられました? 苛められました?
苛められましたね(笑)。歳結構離れてるんですよ。5つと7つ。大人になればそれくらいの年齢差も関係なくなるんでしょうけど。僕は若いときから大人の中にいる時間が長いから、そんなに離れてるって感覚はないんですけど、子どもの頃の歳の差って、本当に離れてるじゃないですか。

―向こうはそんなつもりじゃないかもしれない。
いやいやいや(笑)。苛めてた。だって、言うもん、今(笑)。でもね、今は飲み仲間というか、凄く仲いいんですよ、珍しく。友だちみたいで。
―歳が近いと対等に喧嘩できますよね、家の中の主導権を争って。でも、その年齢差じゃ勝てないですね。
うん、兄貴にはね。―あ、だから外で戦ってくるんだ(笑)。
うん(笑)。中学入ったときには、兄貴も姉貴も東京に行っちゃってて、ひとりだったんですよ。中学に入ってからはよく喧嘩してましたね。もう、田舎の不良みたいなもんで。夜悪さばっかりやってる仲間と一緒に、その時間帯に会った気に入らない奴と喧嘩して。
―苛々してる感じ?
うん……暇なんですよね、田舎だから(笑)。何にもないんですよ。今になって、スピチュアルなものに目覚めてきて田舎に帰ると、素晴らしいんですけどね。その頃はやっぱり刺激を求めてるから。
―小さい頃って何して遊んでたか覚えてます?
じっぽげん。と缶蹴り。
―なんすか、そのじっぽげんてのは。
多分土地によって名前が違うんですけどね(と説明を始める)。
―……なんでその遊びで生傷絶えないのか判らない(笑)。
遊んでる最中に、走ってて畦道でこけたり、田んぼに落っこちたり(笑)。あとね、チャリンコに乗って、漕がずに長い坂道を下りる距離を競うゲームをやってたんですよ。山の上までチャリンコ押して上って。そこから用意スタートで。
―感覚的にはマウンテンバイク。
そうそうそうそう。で、その途中で川に落ちたり、停まってる車に衝突したり。車、もう2回撥ねられたな、正面から。太腿にナンバープレート刺さったりした。
―お話伺ってると、エネルギーを持て余してる感じがありますね。
田舎にいる頃は絶対にそうだと思う。あるときから、もう早くここを出たいって思ってたから。じゃあ、東京に行って何をするって当てもなかったんですけど。常に思ってましたよね。
例えば、持て余してるエネルギーを勉強に向けられる子もいたんだと思うんですよ。でも、学校の授業とかどうにも嫌いで。だから半分くらい行ってない気がするな。仲間は好きだったんですけど。分かり合える先生もいたし。
今考えると、いちばん鬱陶しかったのは、団体の中での協調性を意識していなきゃいけない、その空間が厭だったんでしょうね。それより限られた仲間と一緒にいるほうが気が楽だったし。
学校だと……今もそうだと思うんですけど、流行りモノを常に知ってないと話題に入れないんですよ。そういうのも面倒くさいし。それだったら家に帰って尾崎豊やレニー・クラヴィッツ聴いて歌ってたりするほうが楽しかった。
―YUNAさんが最初に意識的に聴こうと思った音楽ってなに?
尾崎ですね。亡くなる1年くらい前だったのかな。
―何が引っかかったんでしょう。
歌詞ですよね。
―共感できる感じ。
うん、聴いてるときはあれを地でやってましたよね(笑)。悪さしてましたから。
―それはスリルがほしくてやってしまうもの?
なんだろう……エネルギーをセーブできなくて、間違った方向に使ってる感じ。今だったら歌うことであったり、物を創ることであったり、明確に使えるんだけど。僕の場合は歌うことだけど、絵を描く人もいるだろうし、会社勤めして自分の役割を果たす人もいるだろうし。そういう明確な方向性がまだないから。
―持て余したエネルギーはスポーツで発散しなさいとか言われなかった?
部活はやってたんですよ。陸上部。高跳びが凄い得意で。で、中2からバスケ部に入って並行してやってたんです。
―で、夜遊びもすると。凄いエネルギー量だなあ。
よく動いてましたよね(笑)。寝てなかったもん。 ―できれば24時間覚醒してたい感じ?
そう! あのエネルギーって凄いですよね。今バイクに乗ってどこかに行くエネルギーって、それに近いかも。レコーディング終わって3時とか4時に帰ってきて、ひとりでビールとかワイン飲んで。で、2時間くらい寝たらぱっと起きて。呼ばれるんですよね。なんか声が聞こえるというか。で、用意して、朝の6時とかに海に行ったり。
―それは海が呼ぶの? それとも別の何かが呼ぶの?
色々。心がそこに行きたいって、そういう感じ。
―YUNAさんお酒は好き?
んー、そんなには呑まないですけど。一人で呑んでるんだったら、ビール500ミリかワイン(ボトル)半分で充分心地よいかな。

―さっきから覚醒しつづけようって感じの話ですよね。でも、お酒ってそういうところが鈍ったりするじゃないですか。敢えて鈍らせようとしてるのかな。
ここ2年くらいは、落とすために飲んでる感じ。テンションを。勿論楽しく上がるんですけど。
―光量絞る感じで。
そうそう。で、少し落とすと、より楽観的になれたり、ポジティヴになれたりするから。
―YUNAさんは煮詰まると凄そうですね。
……うん。だから、そこから抜ける手段が自然に触れることなんですよね。本当に綺麗なものに触れると、あ、今抱えてるものなんてたいしたことないなって。
だから、サーフィンとバイクも風に触れるためって感じ。乗馬もいいって聞きますけどね。勧められてて、やりたいなあって。

―話戻しましょうか。東京に出てきたときって、何をしようと思ってた?
取り敢えず歌をうたいたいなって思ってて。
―中学のときって歌ってたの?
コピーバンドやってました。中2くらいからかな。それこそLUNA SEAとか。あとね、BOΦWYとか。何せ田舎だから、流行がちょっと古いんですよ。
でもね、俺がひとりで熱狂してたのは尾崎なんです。だからね、フォークなんですよ、血が。もっと言ってしまえばブルースとか。
最初の洗礼って絶対変わらないですよね。ミュージシャンをやろうって魂が生まれたときに聴いてたのがそれだったから。
―そのときの「歌をうたう」って、何を歌おうじゃなくて、とにかく歌おうって感じだったの?
歌で上京したいって言うのがあったんですよね。今は全然問題ないですけど、その頃は両親の仲もぎくしゃくしてる感じで、それで余計に上京したかったんですよね。だから、「ああ、やった……!」って感じでしたよね、出てきたとき。本当に嬉しかった。さあ、何をしようって(笑)。散々悪たれしてましたけど(笑)。
―上京して直ぐにそうなっちゃったんですか?
うん。2年間くらい。
―何しに来たんだ(笑)。
結局、ロックの美学に憧れてそうなっちゃったんでしょうね。破滅願望も強かったし。
―その間他には何を?
最初のアイドルユニットの頃ですね。だから、変な話、東京出てきて音楽やってない時間はないですよね。でもまだ暗中模索で。
―YUNAさんは経験至上主義?
あ、絶対にそう。やってみないと厭ですね。体験したいんですよね。

―どうやって、その状態から抜けたの?
出会いですよね。出会った人に救われていくっていう。そうなっていくと、だんだんスピチュアルな人と出会っていく。気持ちがポジティヴになっていって、そのほうがずっと力強くて、大事なことだって解りだして。それまでは闇であったり、ネガティヴであったりっていうものが美徳で格好いいという誤った認識があったんですよね。
でね、俺の中でSUGIZOさんは後者のイメージだったんですよ。だけど会ってみたら違ってた。SUGIZOさん自身もそういうのを通ってきたって自分で言ってたけど。だから、そういうのが凄く救いになったかな、そのとき。
―アイドルやってたのってどれくらい?
2年……半。
―じゃあ、落ち着いた頃にはもうアイドルやめてたんだ。
はい(笑)。そのあとはずっとソロやってました。REDって名前で。それが……4年くらいですね。ずっとライヴハウス回って、週末には駅前でストリートやって。アコギ持ってひとりで歌ってましたよ。
アイドルの活動やってると、色々なミュージシャンと出会うじゃないですか。ディレクターやプロデューサーとも会うし。だから、凄くいい経験をさせてもらったユニットだったんですよ。田舎から出てきた、無知でスキルのない15歳がデビューして、一連の活動をやれて。
インディーズのロックバンドがゼロから上がってくるところを、ぽんと体験できた。それはね、凄くいい経験になったんですよね。で、後期くらいからギターも弾けるようになったし、曲も書けるようになってきて、やりたいことも見えてきたから、よし、ソロをやろうって。

―そうやってね、自分も周囲も劇的に変わっていくと、書く詞も大きく変わってきますよね。今読むとキツイものあります?
ありますよ。うわ、病んでるなーって。苛立ってるし。大人になっていく自分に凄く苛々してた。それを受け入れていくと、自分の大切な、イノセンスなものが汚されていくんじゃないかって。恐れから来るものですよね。
―でも、そういう核になってる部分って、自分が変わらない限りは変わらないでしょ。
そうそう。自分の心が作るから。
―例えば、苛立っているときに聴いていたような音楽って、落ち着いてきたあとって聴きたくなくなるものですか?
んー、ものによりますよね。音楽に限らず、当時の自分を今の自分が見て、愛せる側面もあれば、これは本当に要らないって思う側面もあるし。
―でも、愛せる側面は増えてきたんじゃないかと思うんですが。
そうですね。自分の表現に全部出るじゃないですか。以前はもっと毒づいてたし(笑)。
例えば、シャウトに込めるエネルギーが違うんですよ、今って。前は毒づいていたい、そういう自分でありたいっていう叫び。今はもっとポジティヴな叫びですよね。悲しみを歌ってても、その先の光に向かっている感じなんですよね。

―意識的に自分を変えていくタイプですか? それとも、流れに素直になってるタイプ?
ふたつあって、僕を愛してくれてる誰かが救ってくれる。土壇場になると、何故か。もうひとつは、足掻いて色々やるんですよね。歌うために体を作ろうとか、違うアプローチを考えようとか。あと、瞑想。そこで恐れとか不安を取ったときに、流れが変わってる感じ。
―……瞑想?
僕は小さい頃から霊感強くて、割と霊媒体質だったから。ぱっと混乱が心に入ってくると、冷静な部分が外に出て行ってしまうんですよね。でも、その冷静な部分が中心にないと混乱に対処できない。瞑想すると、入ってきた混乱を置いといて、いちばんニュートラルな自分を取り戻せる。肉眼で見えないものも見えてくるし。だから、常に自分をニュートラルな状態に置いておきたいんですよね。そのために自然に触れたり、音楽を選んだり、スピチュアルなことについて本を読んで学ぼうとしたりするんですよ。
そういうものをいちばん理解できるのって、仲間や家族なんですよね。家系的にそうみたいで。あとは近い人だとSUGIZOさんもそう。

―The FLAREはいつから動いてるんですか?
一昨年。だから曲は沢山あるんですよ。でも、クオリティを高めようとすると、そうぽんぽんとは作れないけど。
―SUGIZOさんも詞を書きますよね。自分で書いた詞を歌うのとどう違います?
自分の感情とリンクするときは、自分として歌ってる。でも、今そういう感情ではないっていう言葉が来るときもあるんですよ、やっぱり。勿論、お互いにディスカッションして一致点を探すけど。その場合は、その人の魂が自分の中に入って歌ってる感じ。
―ああ、自分が綺麗な器になってるみたいに。
そう、SUGIZOさんの意識をトランスレイトしてる。だから逆に、歌い方とかアプローチとか考えなくても、言葉が求めているようなアプローチになるし。面白い感覚ですよ、それって。
―この先やっていきたいことってあります?
もっと活動がスムーズになるようになるところまでThe FLAREを引っ張り上げたいですよね。もっとライヴもやりたいし。ライヴってよりエネルギーがダイレクトでしょ。バイクだって、停まっているバイクに乗ってるんじゃなくて、走ってたいし。なによりそこに見に来てくれてる人と心が通じ合う瞬間ってあるじゃないですか。それがすべてな気がする。僕が生活している中で、最もピースフルになれる場所だし。
応援してくれる人を喜ばせたいし、一緒にでかくなりたいし。SUGIZOさんも同じだと思うんですよね。いちばん近くて大きな夢って、The FLAREで必ず武道館やりたいんですよ。

―さて、言い忘れてることない?
言い忘れ……ないかな。今日、凄い喋ったもん(笑)。
―喋らせたもん(笑)。
 
The FLARE OFFICIAL WEB SITE http://www.the-flare.com/
YUNA OFFICIAL WEB SITE http://www.stardust.co.jp/music/cross/

interview : t_in
photograph:chakoba

 

6月4日生まれ。佐賀県出身。
95年LAZY KNACKでデビュー。98年よりRED(後にLED.)として活動した後04年8月より、SUGIZO(ex.LUNA SEA)とともにニュープロジェクトThe FLAREを展開中。

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The FLARE
 Vo.  YUNA
 G.  SUGIZO
 
..CD Infomation
【ウエティコ】
 UMCE-8301
CD+DVD(PV2曲収録)
1,600yen(Tax in)
 1 ウエティコ
 2 Don’t forget you
    〜I'll never and ever〜
 3 Sunday Morning
 
   
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