―君の描いた絵には悲しみが宿り、僕の描いた絵には哀れみが宿る―
おまえがどういう人間なのか……正直言うと俺にはまだわからない。言葉は宙を舞い、現実的にしか表現できないことにどうしようもない苛立ちを覚えた。
俺を見てみろよ、何か感じるか? 容姿がどうとか性格がどうとか、形がどうとか、相変わらず世の中は腐ってる。正しい言葉で言い換えるなら「腐ってるing」だ。俺はおまえに評価されるためにここにいるわけじゃないし、おまえを理解するために生きてるわけじゃない。こんな俺が好きじゃないなら、いっそ嫌いになってくれ。
人は"過去"を持ち"未来"を創造できる生き物だから、ポジとネガが紙一重だということに誰も気づかない。人はみな流行やお決まり流れに共感し合うことが何よりだと思ってる。俺に手拍子や黄色いものはいらない。顔色を伺う必要なんてないよ、愛は言葉じゃなく体で表現してほしい。おまえがいて、俺がいる。それだけは今日も変わらないからさ
ガキの頃、母さんが俺のために青緑のタオルケットを買ってくれた。そこに俺のイニシャルを刺繍してくれてさ、大のお気に入りだったよ。ぬいぐるみじゃあるまいし、こんな表現をするのは変かもしれないけど、いつも一緒だった。
そんなタオルケットをさ、いつも優しくしてくれる姉が風邪をひいた時「寒い」って言うから貸したんだ。それにくるまって鍋焼きうどんを食べていた姉は予告もせずにいきなりその鍋焼きうどんと今朝食べたであろうレタス&キュウリを全部吐いちまいやがった。鍋焼きうどんにトッピングされた大好きなエビをかじりながら、それを目の当たりにした俺は後を追うようにエビとうどんと今朝食べたであろうセロリ&キュウリを吐いた。そう、もらいゲ○だ。
でもね、後から考えてみると俺のゲ○の原因は、鍋焼きうどんとかレタス&キュウリではなかった。ゲ○の匂いやイメージがそうさせたんじゃなくて、ただ単に大のお気に入りでいつも一緒だった俺のタオルケットが、姉のそれによって別人のように変わっちまったからだ。
ショックだった……ショックだったよ。サンバルカンショーに来てくれたイーグルがトイレでマスクを外して一服していたのを見た時よりショックだった……。
姉には悪いけど、そんな姉と一週間ほど口を利かなかったのが俺なんだ。俺ってそんな奴。そんな俺にも夢があってさ、こうして今ここにいるんだと思う。何も言わず、感じてほしい。
世の中が"ロック"を履き違えているのと同じように、俺も"音楽"を履き違えていたみたいだ。キスでごまかすような恋愛はしたくない。もう少しデリケートがいいんだろうし、もっと乱暴でいいんだろうよ。俺はまだ探してるよ、特に右の奥のほうを。
最終のベルが鳴るころには空の色もわからなくなる。すぐにでも知りたかったことが未だ解決できず、どうでもいいことばかりが鼻につく。そして、空が透明のかたまりじゃなかったことに気づく。
大人ってやだな。
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