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vol.6『ロッキー・ホラー・ショウ』(1975/イギリス)
監督:ジム・シャーマン 主演:ティム・カリー/スーザン・サランドン

今さら説明の必要もないほど有名かつ、ロックな映画。何がロックかってそのまま「ロック」ですよ。音楽もビジュアルも。もともとはミュージカルとして作られ、ロンドンでカルト的な人気を誇る作品だった。それがアメリカの大プロデューサーに気に入られ、一気にブロードウェイへ。ブロードウェイ上演のオーディションにはあのジョン・トラボルタ、リチャード・ギアなども受けたそうな!
実際、ブロードウェイでは全く受けなかったらしく、失敗に終わった。
そしてフォックス映画によって、映画化されるも、やっぱり映画の興業としては全く成功せず、半ばお蔵入りだった。

ところがLAをはじめとした極わずかの都市だけ、全く客足が落ちなかった。それはほとんど毎回同じ観客たちが観に来ていたのだった! 熱狂的な信者たちを獲得した「ロッキーホラー(ピクチャー)ショウ」の熱狂は、世界各国へと飛び火していく。
そして今も変わらず一部の人たちのフェイヴァリット映画として語り次がれて(?)いるのだ。

簡単なあらすじは。。。
友人の結婚式に出席したブラッドとジャネット。2人はその場で婚約し、幸せいっぱいの中、恩師スコット博士に報告しに行こうと車を走らせる。しかしそんな2人とは裏腹に、外は大雨、道には迷い、挙げ句の果てにはタイヤがパンク。
もういかにも何か起きそうな展開。助けを求めて雨の中走る2人の前に、突如無気味な城が出現。
中から出てきたせむし男の執事リフ・ラフ。そしてメイドのマジェンタ。強烈なキャラクターの出現にビックリするのも束の間、通された広間では城の主人、トランスセクシュアル星からやってきたフランク・フルター博士のトランセクシャルなパーティーが繰り広げられるのだった。
純真な2人は、この一晩ですべての価値観をひっくり返される体験をしてしまうのだった。

今回「ロックな映画」という原点に帰ってみようと思い、DVDで見直してみた。
DVDがすばらしいのは、映像や音声のクオリティもそうだが、多くの魅力的な映像特典が付いているところだ。

ほとんどのが知っているだろうが、この「ロッキーホラー(ピクチャー)ショウ」現在でも定期的に世界各国で上映されている。その上映時には多くの観客が登場人物たちの「あの」出立ちでやってくる。そうコスプレ。今の日本のコスプレやゴスロリちゃんたちなんて、かわいいものです。だってあの格好ですよ? この作品知らない人が観たら、通報してしまいますよ。
そしてお決まりの場所で、お決まりの「やじ」。小道具投げ等々。スクリーンと観客が一体となってしまうのです。
もちろんみなさんあの名曲「タイムワープ」のダンスなんて朝飯前です。

今回、私も小さな息子と一緒に久々に踊ってみた。割とすぐに覚えられるので、ぜひみなさんもトランシルヴァニアンと一緒に踊ってみましょう。楽しいですよ〜。

で、映像特典の中にはこの観客たちに混じって、劇場で観ているようなモードや、小道具を投げたり、ヤジを飛ばすタイミングを教えてくれるモードも。

何よりおもしろいのは、本編を観ながらこの作品の作者で、リフ・ラフ役で出演しているリチャード・オブライエンとマジェンタ役のパトリシア・クインが当時を振り返って話している2人の会話をきけるモード。
よく監督の解説が付いているものはあるけど、この2人の会話は解説というよりは、当時のおもしろいエピソードや、マニアが見つけるようなマイクの影や低予算での撮影秘話みたいな暴露話が多い。本当に友だちが映画を観ながら話しているようなもので、おもしろい。

このリチャード・オブライエンが、温めていた数曲をはめ込むようにして、「ロッキー・ホラー・ショウ」は作られた。だからとは言えないが、ストーリーが1本しっかりすじが通っているようで、実はそうでもない。
でもかなりのメッセージを感じる。

今でこそ、ゲイや女装など特異な性質も多少の市民権は得られるようになったが、制作された当時は、まだまだ大っぴらにできるほどではなかった。
ましてや映画の中で、ベッドシーンですら足を見せるのがギリギリといった時代に、ブリーフ一枚のマッチョマンが腰を振ったり、胸が溢れんばかりの下着姿や、ちょっと乳首が見えちゃったり、と掟破りの連続。
一般にヒットしない理由も分ります。

ようは「男だから」「女だから」じゃなくて「欲するままに!」突き進めってことなんです。
それを主人公の2人は、体をもって体験するのですが、ラストでブラッドはまだまだ受け入れがたい様子。それに対してジャネットは、もう何か吹っ切れちゃった感じでとてもいきいきと歌って踊っています。
女の人の方が、意外と度胸座って、流れに身をまかせてしまう事を表現しているようでした。

このジャネット役、何と若い頃のスーザン・サランドン。「デッドマン・ウォーキング」でアカデミー賞を獲得した、メリル・ストリープと並ぶハリウッドきっての実力派&大御所女優。彼女にとって、この作品は現在どのような位置付けになっているのか、非常に気になる。
他の出演者も、ほとんどがみな現役バリバリ。中には他界された方々も出始めてはいますが。。。

この作品、「2」が企画されていたそうです。それも90年代に入ってから、脚本や曲まで完成し、デモ録音もされたが、現在は凍結状態。
このまま永久凍結して欲しいものです。どう考えたって、これを越えるものが出来上がる気がしないですもん。でもどういうストーリーになっているのかは、ちょっとだけ気になりますね。

オープニング、真っ赤な唇が歌う「SCIENCE FICTION / DOUBLE FEATURE(SF映画2本立て)」の歌詞の中にあるように過去のB級ホラーやSF映画へのオマージュもあり、その辺りに詳しい人が観れば、また違った楽しみ方ができるようです。
私は全然詳しくないので、ラストのあのシーンが、前半のあのシーンくらいしか、「あ、ここね」という場所はありません。

もしかしてあなたが観たあの映画の、あのシーンがあるかもしれまんよ。

これは絶対に観ておかなくてはならない作品です!

- Writing -
レディ(lady)
197×年3月東京生まれ。 お嬢様学校に通っていた中1の時に、澁澤龍彦とロックに出会い友だちを失う。
その後業界を渡り歩き、難癖だらけの大人たちを手懐けて来たにも関わらず、小さな 我が子には全く歯が立たない今日この頃。
1日に映画館を3館はしごした時代や、最近子供が寝てから狂ったように観まくって いるビデオの中から『ロック』な映画をピックアップ。
 
- Illustrator -
shuffle master★KAORIN
5月2日生まれ。
それ以外の数字のデータは極秘です。
反骨精神を持つパンクな絵描きですが、ポップでユーモアのあるものが好きです。
映画は基本的に古いSFやホラーが好きです。でも、楽しめれば何でもアリです。
どんな芸術・娯楽にも音楽的な要素とリズム感が重要と思ってます。
そんな感じで音楽性を感じるお絵描きしていきたいですね。
尊敬してるのはディック・ブルーナとエドワード・ゴーリーです。

http://plasticrecords.kill.jp/
 
vol.1
Lock,Stock & Two Smoking Barrels!!

vol.2 漂流街/三池崇史
vol.3 パイレーツ・オブ・カリビア/ジョニー・デップ
vol.4 ドーベルマン/フランス
vol.5 ムーランルージュ/アメリカ
vol.6 ロッキー・ホラー・ショウ/アメリカ
   
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