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特別編:tezyaインタビュー
愛に迷える方にもそうでない方にも、笑いと感動をお届けしてまいりました「高飛車ス恋愛相談所」も今回で最後です。最後なのでばんび隊の恋愛相談にのっていただく……という案は自粛しまして、tezyaさんのインタビューをお届けします。
ところで、タイトルの「高飛車ス」って「シド・ヴィシャス」に引っかけた洒落だって、皆さん気づいてました?
 
―tezyaさんがライヴのないときって、何してるか想像つかないですね。

つかないでしょうね。

―生活感がないというか。

昔からよく言われますね。10代の頃とか滅茶苦茶アルバイトとかもしてたんですよ。でも誰も信じてくれない。あと、そんなに売れてないんだから判るはずなのに、家に帰ったらエマニュアル夫人が座っているような籐の椅子で、葡萄食わせてもらってるとか言われて(笑)。なんだそれって。

―そういうことは女性に言われるんですか?

両方ですね。何故か知んないけど幼稚園のときから、別に金持ちでも何でもないのに「王子」って呼ばれてましたから。

―ああ、なんか納得(笑)。

自分では「どこが?」って思うんですけど(笑)。

―tezyaさんは日本のバンドはあまり聴かなかったほうですか?

うん。バンドやりはじめるときって、だいたいコピーから始めるじゃないですか。で、コピーするために聴くくらいでしたね。ずっと洋楽ばかり聴いてて。ロックバンド自体がいなかったんですよね、情報として入ってくる。みんな歌謡曲っぽかったりとか。爆風スランプとかBOOWYとかキャッチーでしょ。そういうものにはあまり興味がなくて。で、バンド始めてインディーズバンドとか知って、そっちのほうが格好いいと思って。
最初にコピーバンドでやってたのがセックスピストルズとストリートスライダースだったんですよ。両方とも当時はあまり好きじゃなくて(笑)。当時はギターを弾きたかったんですけど、ピストルズってギター1本でしょ。で、出番がない(笑)。でね、何故かヴォーカルがいなかったんですよ。

―例えば、今40代半ばくらいの方のお話を聞いていると、その頃ってギタリストがヒーローなんですよね。でも、tezyaさんの世代だとヴォーカリストでしょう。

ああ。でもね、そこまで目立ちたくなかったんですよ。俺は2番めくらいに目立つのがいいなーって。ヴォーカリストいいなとは思ってたけど、自分から言い出す勇気もなかったし。バンドの主役みたいなところに自分で立候補するのが恥ずかしい、みたいな(笑)。

―それは「王子」だからでしょう(笑)。

そうっすかね(笑)。自分じゃそんなこと言えないなって。で、ヴォーカルがいないし、ギター下手だったから「おまえ、歌えよ」って言われて。

―それが高校生のときに最初に組んだバンドですか。

そうです。

―HIROKI(廣嶋)さんと一緒にやってらしたバンド?

いや、違います。でもそのバンドって1か月もやってなかった。で、それをやめてSUGIZOとか真矢とかと一緒にやりはじめて。

―町田のプレイハウスですね。

うん、その頃って近くに他になかったんですよね。だからプレイハウスって結構広範囲から集まってきてたから、皆が地元が近いってほどでもないんですよね。

―tezyaさんがバンドを始めようと思ったきっかけって何ですか?

んー、目立ちたいって気持ちもあったし、モテたいって気持ちも勿論あったし、あとは外タレのコンサートに行くのも好きで、ファッションも好きだったんですよ。で、今は街歩いてると(普通の子が)みんなミュージシャンみたいな格好して歩いてるけど、何かね、自分の中に何であれ理由付けが必要な人なんですよ、俺って。格好だけロックっていうのが厭で、こういう格好したいからロックやんなきゃ、みたいな(笑)。

―ロックを聴くようになったのっていつ頃ですか?

中学校1年生のとき。流行ってたんですよね。小林克也の「ベストヒットUSA」とか、TVKの「ミュージック・トマト」とかSONY MUSIC TVとか観てたんですよ。あとは洋楽を聴くのが格好いい、みたいな感じだったんですよね。なんかオタクのような会話がおしゃれ、みたいな。

―ミュートマ、観てましたよ。ミュートマ・ジャパンのほうも。

あ、じゃあ「ファンキー・トマト」知ってます?

―知ってます、知ってます(笑)。

あれでね、中学生のときにリクエストしたんですよ。採用されるとシーブリーズの試供品くれるんですよ。で、初めてシーブリーズ知ったの。で、13歳くらいからずーっと使い続けてるんですよ。香水とかつけないんで。その当時って、シーブリーズなんて誰も知らないんですよ。ファントマ観てて部活やってる奴しか知らないし、使わないし。

―あれを昔は顔につけて平気だったんですよね。

俺、今でも顔につけてますよ。鍛えないと(笑)。

―tezyaさんはかなり鍛えてらっしゃいますよね。

でも最近さぼりがちなんですよ。

―ロック・クライミングにはまったとか書いてらっしゃいましたよね。

あれは面白いですよ。筋力だけの問題だけじゃないし、最初にルートを自分で読まないと駄目だし。強引に登って達成感があるものでもないし。如何に綺麗に登るかっていう。

―あれ、どれくらい高さがあるんですか?

ひとりで登るのは3〜4メーターじゃないですかね。で、バディ(相棒)と一緒にロープつけてやるのが7〜8メーターくらいかな。

―結構な高さですね。

うん、下から見てるとあまりそうは感じないんですけど、上から見ると高い。(降りる時に)登り切って手を離すのが最初怖かったです。やってた友だちがいて。「体型が合うから絶対巧くなるよ」って。「いい筋肉がつく」って。じゃあやってみようかって。体重が軽くて筋力がある人が有利みたいですね。

―普段使わない筋肉を使いそうですが。

凄いっすよ。ヘンなところが痛くなりますね。でもね、すげー地味なスポーツなんですよ(笑)。

―色んなことやってらっしゃるなと。

ここ数年ですよ。今までストイックさを勘違いしていて、ロックしかやってなかったんですよ。他のものに目を向けるのが悪だ、くらいに思ってて。でももう、そういう考えはやめようと。

―何でもやってみようと。

うん。

―前は音楽のことだけ考えていらした。

多分そうだと思いますよ。

―それは煮詰まっちゃうと辛そうですね。

うん、でも、自虐Mなんだと思うんですけど、そういうふうでなきゃいけないんじゃない、みたいな。ハッピーでいたら良い作品が創れないんじゃないかって勝手に思い込んでましたね。僕の書く詞はあまりハッピーなものじゃないし。

―tezyaさんの詞って、物凄く細かいところで「この部分のメロに載っているこの歌詞のはまり方がいい!」みたいなのがあるんですよね。

そこに気づいてもらえると嬉しいですね。職人半分芸術家半分なものなんだと思うんですけど、歌詞の内容だけじゃなくて、1フレーズの破壊力も大切だし、その破壊力を出すためにはメロディが絶対に大事で、さらに母音子音も大切で。日本語なんだけど、言葉として入ってこないような聴き方も出来るっていうか。ちゃんとメロディになってるように。日本語ってやっぱり難しいんですよ。ロックとして心地いいようにしたくて。敢えて外して違和感を感じさせたりもしますけど。出鱈目英語で最初メロディを作るんですけど、そのときに母音子音も決めちゃうんですよ。いちばん自分が発声しやすいようにとか、サウンドとして考えるときに拡げたいのか、縮めたいのか、破裂とか開きとか、決めちゃってから、そこに合った単語を持ってくるんです。

―かなりシステマティックな手法ですね。

うん、色んな方法があるんだと思うんですけど。先ずどこかしらを決め打ちしちゃうんですよ。それから他の引き出しから自分のストックを持ってきて色づけするというか。だから最初ってCMのキャッチコピーみたいな感じなんです。例えば「ああ、強欲ヴィーナス抱っこして落下」なんて、最初自分でも「何だこれ? 意味不明だよ」みたいな(笑)。で、他人が書いたもののように自分で見て、「ああ、こういう流れかな」って。

―お話伺ってると、さっきのロック・クライミングに似てますね。

ああ、そうかも。

―サビじゃないところが逆にはまってたりする感じもしますが。

僕はね、サビが苦手なんですよ。順序立てて、Aメロの最初から書くから、サビに行くまでに体力がなくなっちゃうんですよ(笑)。それでね、洋楽ってA→Bの2段階の構成が多いじゃないですか。自分もずっとそういうふうに作ってきたし、身体に馴染んでるんですよね。A→B→サビ、とかの曲が多いけど。でも、AメロBメロ命なんで、Bの部分でもう言いたいこと終わっちゃうんですよ(笑)。で、全体像を伝えるためのテーマをサビで言っているだけで、それ以上のことを入れたくないんですよね。だから本当はABだけ書いて、サビは「ラララ」でもいいんです。それで聴いた人が何かを当てはめてくれても。でもそれじゃ曲にならないから(笑)。

―ああ、じゃあそれに近いものが「BARILA!」だったりするわけですね。

そうそう。どういうイメージでもいいから、みんながそれぞれのイメージで「BARILA!」って叫んでほしいってだけなんです。

―tezyaさんがそういう詞の書き方をなさるようになったのはいつからなんでしょう?

最初からですね。

―自分が歌うために詞を初めて書いたのはいつですか。

17歳くらいで、SUGIZOとか真矢と一緒にやってたとき。それがオリジナルを初めて作ったバンドですから。

―ずっと続けていく上での変化というのは勿論あると思うんですが、本質的なところは変わってない んでしょうか。

……うん、多分変わってないですね。ただ、やっぱり、今でもあるかもしれないけど、自分を完璧にさらけ出すことが怖くて、自分を隠しつつ自分を表現する方法として隠喩を使っていたっていうのは多かったと思うんです。今はさらけ出すことも出来るんだけど、それだと個人的すぎて共有性がないような感じがするんですよ。だから部分的には赤裸々に言っちゃうときもあるし、でもそれが個人レベルで終わってしまうものなら、ひとりで作って家で聴いてなさいと僕は思うから。それを放出する以上はみんなのものになる訳だから、隙間を持たせるほうが面白いんじゃないかなって。ただね、昔の詞はダサかったですよ。抽象的だったし、表現が格好つけてて格好悪かった。文学が好きで、ランボーとかミショーとかボードレールとか読みまくってたんですよ。似非文学少年みたいなの。それが今から思うと薄っぺらーって(笑)。内容よりスタイルに憧れてたのかもしれない。凄いロック的だったんですよ、その人たちの詞が。字面だけのものじゃなくて、メロディまで感じさせるような。例えば、デヴィッド・シルヴィアンとかニック・ケーヴとかジム・モリスンの曲を聴く前に詞だけを読んだとしても、同じように感じたと思うんですよね。「格好いい!」って感じ。

―tezyaさんのそういう変化って急激なものではないんでしょうが、エポック・メイキング的な作品や
出来事ってありますか。


んー……思い当たらないけど……ああ、仕事で人に詞を書く機会があったんですよね。それは自分のものじゃないから、曲や歌う人のイメージを考えないといけないじゃないですか。そうすると、ある意味開き直ってしまえるんですよ。そうしたら、「あ、こういう軽い感じもアリだ」とか。だから、その辺りから口語体になってきたんですよね。

―詞を書くのって時間かかります?

3時間から2週間ってところですね。曲は出来上がりの分数で出来ちゃうこともあるけど、詞はね、それが出来たら化け物でしょ。自分の性格からして「あ、出来ちゃった。これ最高。もう直すところない」なんて絶対に有り得ないから。何時間も何日もかけて、ぱっと出来たものに戻ってしまうことはあっても。

―お話を聞いていて思うんですが、tezyaさんの中には「羞恥心」と「ストイシズム」を如何に見せないでいるかがテーマとしてあるような気がするんですよ。

んー……何かね、きっと今まで死ぬほど努力してきたと思うんですけど、でも努力は大嫌いだし、努力をしてきた記憶もないんですよね。ただ、自分で言うのも何なんですけど、集中力と根性は凄いと思うんですよ。

―ある意味体育会系ですね(笑)。

そうですね(笑)。「頑張る!」って頑張るのを見せるのも厭ですしね。

―やっぱり羞恥心が(笑)。

自分じゃよくわかんないですけどね。……ああ、でも、例えばステージでどんどん服脱いでいって裸になったりとか、際どい格好をしていて「お尻見えてるよ」って言われても全然恥ずかしくないんだけど、「パンツ見えてたよ」って言われたら、すげー恥ずかしくなる(笑)。パンツって凄い日常的じゃないですか。みんな穿いてるし。観てる人も穿いてるんだって判ってて観てるんだとは思うんだけど、それが判らない、というのがこっちの作り上げたい世界で。非日常な世界をね。勿論、自分たちと変わらないんだって思わせる、そういう世界もアリだと思うんですけど、それで好きになってくれるんだったらそれもいいんだけど、お金を貰っている以上、お金を払う価値のある空間、時間、存在でなければいけないなと思うから。で、僕の考えだとそれは普段観れないもの、日常ではお目にかからないような光景なんですよ。だから、パンツは日常に繋がりすぎるからNG(笑)。

―日常地続きであることを商品にするという、その方法論がtezyaさんは厭なんだと思うんですよ。

うん、憧れてきたものと違うし。勿論それは人それぞれであって、見せる側のスタンスとしてそういうのもいいと思うんですけど、僕がリスナーやオーディエンスの側から観ているときに憧れる人は、本当に同じ星に住んでいるのかなーって思わせるような人だし、コンサート観たって米粒くらいの大きさで「ホントに実在してるのかな?」って思わせる訳で。それがアレンジ違ってたり、ちょっとトチったりすることで「本当に同じ空間にいるんだ」って初めて思える訳ですよね。それくらい信じがたい存在だったんですよ。だから僕はいつでも会える、いつでも観れるっていうような人たちには全く興味がない。

―tezyaさんのMCって、素で喋っているように見えるんですけど、その割に日常的な感じがしないですよね。

あれはもうね、何だろうな……あそこだけは許してって感じな部分で。本当にMCが嫌いで、苦手で。もう、凄い苦痛だったんですよ。今はもう開き直ってるんで楽なんですけど。曲が終わるとね、もうコマーシャルに切り替わってるみたいな感じなんですよ。テレビで映画を観てると、凄い感動的な場面でいきなり洗剤のコマーシャルが入ってきたりするじゃないですか。あれと同じで、休憩時間というか、自分の中では繋がってないんです。昔はMCも格好つけてたんですよ。でも、その格好つけが格好悪くて、自分でも鳥肌立っちゃう(笑)。

―「格好いい」か「ダサい」かは、tezyaさんの最大の判断基準ですよね。

うん。

―そういえばレコーディング中だそうで。

いい感じになりそうですよ。春までには出したいなと。

―初めてインタビューさせていただいたのが1月で。

そう、あのとき公言したことが全然実現できてなくて。僕予定が立ってなくても敢えて口に出して、(今までは)有言実行してきたんですけど、今回は全然それができなくて「うわーっ」って感じなんですよ。ライヴだけは続けてましたけど、レコーディングのスケジュールがなかなか立たなくて。
今回は凄い勢いのある感じになってますよ。1枚目は凄く地道に作っちゃってたんですけど、今回はライヴでやっている曲ばかりだから。ライヴでどんどん変えていって、みんなで作っているような感覚があるというか。

―最後にこの話を聞くのもなんですが、連載、如何でしたか。

面白かったです。あれは読み物として面白くないと、俺がやっている意味がないと思うんですよ。でも、リアルな相談に答えている訳だから、相談者本人のためにもならないといけないと思うんですよね。ただ単に親身になって答えてるんだったらああいう公の場に載せる意味がないと思うし、冗談だけだったら送ってくれた人をおちょくっていることになってしまうし。

―tezyaさんは、恋愛に限らず人生相談みたいなものを人から持ちかけられるほうですか?

全然受けないです(笑)。いや、本当は受けますよ。ただ、普段は冗談にしちゃうんで、あまり親身じゃないです(笑)。

―逆はないですか。

軽い相談はすることもあるけど、真剣な相談はしないです。恥ずかしいんですよ(笑)。

―相談事って、本人の中にある程度の答が既にあって、その後押しを求めているんじゃないかと思ってたんですが、今回の連載の中で寄せられたものって、どうしたらいいのか判らないっていう人が多かった気がするんですよね。

そうなんですよね。勿論それでもいいんですよ。何も判らなくて漠然とした状態で、ひとつの道筋というかアイデアを出せれば。でもね、質問が抽象的なんですよ(笑)。

―相談者も羞恥心があるんですよ。

でもね、匿名でやってるんだから、友だちに相談できないような内容ももっと赤裸々に書いてもいいのにね。

―真面目で純粋な方が多かったですよね。

うん、でもね、安心しましたよ。日本もまだ捨てたもんじゃないなって。ただ、あんまり堅苦しくならないように、お酒飲みながら書いてたんですよね。僕はあまり一般的な生活をしてきていないから、オフィスでの人間関係とか全然判らないし、判らないなりに書くんだからこういう方法がよかったんじゃないかって。ひとつだけ、必ず「なんじゃこりゃ?」っていうフレーズを入れようって。

―詞を書くときのように。

いや、ウケたいの、自分が(笑)。

―有言実行ということで、06年のご予定をお伺いしてもいいですか。

アルバムも出るし、早い時期に小さなツアーをやりたいですね。東名阪くらいで。まだ関東でしかライヴやってないんですけど、結構遠くから観に来てくれてる人もいるんでね。

   
 

 [ MeGAROPA Official Site ] http://www.megaropa.com/
 
** tezya **
Date Of Birth:7.28
Blood Type:B

NEO GLAM ROCK BAND
MeGAROPAを率いる自称在日火星人
音楽活動以外にもCMナレーター、 服飾デザイン、たまにモデルなど 多岐にわたり活動。

MeGAROPA
Vo. tezya
G araki
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