|
|
―おかしい空気、ですか? |
|
|
もりばやし: |
真琴ちゃんはかつら被ったりするのが凄い好きなんだなーってわかったんですよ。私も事の発端はキャンディーズですけど(笑)、やっぱりお揃いの格好をしてやりたいっていうのは昔から沸々とあって。 |
|
朝日: |
そうなんだ。 |
|
もりばやし: |
うん。もう一個女の子三人のユニット(BM2)をやってるの。それは着物を着てやるっていう。そんでライブ前の楽屋で真琴ちゃんが異様に盛り上がるっていうのがわかって。メイクしている時とかそうだもん。三人ヅラ被ってやっている時とかメイクをしている時のテンションの上がり方とか見てて、ホント好きなんだなと思って。それで本格的にやるかーって。 |
|
朝日: |
2004年の夏にmihomiho+真琴でアンコールに"イパネマの娘"をやって盛り上がって。明けて2005年の1月に高橋健太郎さんと信藤三雄さんの誕生会パーティを下北のモナレコードでやろうってことになって。そしたら高橋さんの誕生日と真琴ちゃんの誕生日が一緒だってことがわかったんです。じゃあ一緒に祝おうってことになって、皆が集まるからミホミホマコトを結成して何か出し物をやろうよって。 |
|
|
|
―出し物ですか?! |
|
| 朝日 : |
そう、出し物、出し物(笑)。 |
| もりばやし : |
お揃いのヅラ被って、似たタッチのワンピースを着て、普段アイラインを引かない真琴ちゃんが凄い勢いで引いてて。 |
| 朝日 : |
ちょっと太すぎじゃないみたいな(笑)。 |
| もりばやし : |
どうやって引くのって言いながらガーッて(笑)。 |
| 朝日 : |
ド派手なメイクを一人でしてて。 |
| もりばやし : |
そうね、本質は「出し物」かもね。いつも衣装を作ってくれるお友達のイチハラサチコちゃんて言う子がいて、その人がお人形の衣装とかをすごい作っていて。元々はお人形の衣装の人間大を作りたいって言ってて、あ、ミホマコでやるのが丁度いいかもって言って。 |
| 朝日 : |
それもあったね。 |
| もりばやし : |
その年のイチハラサチコちゃんの人形の服を人間版に作り直して。元々人形に着せてあったものを大きくしてやったのね。人形の完コピで、頭もブワーッて爆発したような感じで。 |
| 朝日 : |
出し物から少し成長して(笑)、9月にきちんと服も作ってもらって、お披露目ライブしたらお客さんも300人ぐらい来てくれて、さらに盛り上がったので世の中に出してみようかって新たに計画を立ててって感じですね。 |
|
|
|
―始まりは何て言うんですかね… |
|
| もりばやし : |
余興? |
| 一同 : |
(笑)。 |
|
もりばやし : |
学芸会に近いからね。コーラスも下手だし、ダンスも下手だし(笑)。 |
|
|
|
―でもこうやってCDやPVになりましたよね。 |
|
|
もりばやし : |
レコーディングぐらいはなんとかなるよね。なんちゃって(笑)。でもホント楽しいです。パーティバンドっていうか。最初私も、そんなにワーってやる気とかなかったけど、3人で集まると異様に盛り上がるから。真琴ちゃんがおかしいから、なんか。別に2人の時はそうでもないんだけど。 |
|
朝日 : |
3人になるとなんかテンションが変わって。今日はお見せできないのが残念です。 |
|
もりばやし : |
だから音楽というよりかは、そのテンションを何か形にしたいっていう。かしまし娘みたいなものですかね。おしゃべりして盛り上がっているだけで面白い。 |
|
|
|
―曲はどうやって選ばれたんですか? |
|
| 朝日 : |
最初の出し物の時には信藤三雄さんがやっていたScootersというバンドのコピーをして。 |
| もりばやし: |
それがやっぱりこういうガールズグループで。 |
| 朝日 : |
Scooters自体が女の人4、5人いるパーティーバンドっていう感じで。 |
| もりばやし : |
それのマネっこをしてて。それからどうしたっけ? |
| 朝日 : |
それからイチハラサチコさんが作ったお人形の服がわりと'50年代ぽい感じだったんで、そんな感じの曲をカバーしてみるのもいいなっていうので、"I
want to be loved"が入ったりして。そのうち、最初はScootersのコピーバンドだったのが、なんか他の曲をカバーしたり、オリジナルもやるようになって。 |
| もりばやし: |
それでアルバム作る事になって。最初全部カバーだって言ってたのに、真琴ちゃんと朝日ちゃんはちゃんと作ってきて。あたしは「作れない」って言って、忠実にカバーをやりました(笑)。 |
| 朝日 : |
それぞれが仕切る曲が1曲ずつあって、オリジナルもあるといいねって提案したら、すぐ真琴ちゃんが書いてきて。 |
|
|
|
―それはアルバムに入っている曲ですか。 |
|
| 朝日 : |
"ラバトでキャメル"って曲です。 |
| もりばやし : |
面白い曲だったよね。 |
|
|
|
―選曲の際に何かお約束はなかったんですか? |
|
| 朝日 : |
元々、アートディレクターの信藤三雄さんがツイストっていうキーワードを出してくれたんですね。 |
| もりばやし : |
そうだね。 |
| 朝日 : |
ちょっとズレてきちゃったけど(笑)。 |
| もりばやし : |
忠実に守ったのは私だけだな。 |
| 一同 : |
(笑)。 |
|
|
|
―各々の曲でボーカルを取っているのがどなたかな? って思うところが結構ありますね。 |
|
| もりばやし : |
喋ってる声とかホントわかんないよね。 |
| 朝日 : |
そうね。話しているテンションが同じなのかね。 |
| もりばやし : |
ポッドキャストを聞いて、ときどき自分でもわかんない時があって。どれが誰なんだろうって。 |
|
|
|
―マイクを通してるからですかね? |
|
| 朝日 : |
全然違うはずなんですけどね。それぞれの世界観違うのに、ミホミホマコトになると世界観一緒になっちゃう感じで。 |
| もりばやし: |
世界観て何だろう(笑)? |
| 朝日 : |
パーティとか楽しいとか。 |
| もりばやし: |
そういうことね。 |
| 朝日 : |
自分で詞を書いて、曲作ってっていうのとは全く別のものなので。 |
| もりばやし: |
それは気楽なもので。「適当にやっといて」って(笑)。 |
|
|
|
―3人の各々の役割はどういった感じなんですか? |
|
| 朝日 : |
私は実務担当で、彼女はビジュアル番長なので衣装とか振り付けとか担当で。もう一人の方は広告塔で天然担当です(笑)。 |
|
|
|
―振りもあるんですか? |
|
|
|
|
―振りはどういった感じなんですか? |
|
| もりばやし : |
もうバカでも出来る(笑)物凄い簡単な感じですね。 |
| 朝日 : |
なんか見え方がPUNKなんですよ、映り方が。真琴ちゃんユマ・サーマンみたいだったし。 |
|
|
|
―最初のイベントは着物を着られたんですよね? |
|
| 朝日 : |
あれはたまたま着物のイベントだったので、着せて頂く形で、路上ストリートライブをして。 |
| もりばやし : |
夏に着物は暑かったねぇ。 |
|
|
|
―最初に路上なんですか? |
|
| 朝日 : |
それは2回目のイベントですね。秋のお披露目ライブをやる直前に。 |
| もりばやし: |
下北沢で皆でお着物着て、ピンホールカメラで写真撮ろうみたいなイベントのゲストですっごいちっちゃいところでやったの。 |
| 朝日: |
古着屋さんの前のちょっとしたステージで。 |
| もりばやし: |
ヴィジュアルの二本柱は信藤さんのアートディレクションとイチハラさんのお洋服ですね。衣装の生地は私が買出しに行ったんです。たまたま3色色違いでいいのがあったんです。最初にこういう感じでって信藤さんが言ってくれたのがあって、それにピッタリのがあって「えーっ!?」と思って、そしたら3色あったから「これは運命!」と思って買ったんです。 |
| 朝日: |
衣装制作は知らないうちにバーっと全部出来てましたね。 |
|
|
|
―誰がどの色というのはパっと決まったんですか? |
|
| もりばやし : |
白は真琴ちゃんしか出来ないよって言って、ピンクか緑か迷ったんだけど、その場で当ててすぐ決まりましたね。 |
| 朝日 : |
PVとジャケットは彼女(もりばやしさん)のお家で撮ったんですよ。ジャケットは4月のたまたますっごい寒くなった1日に外で撮ったんです。お庭で。 |
| もりばやし : |
メイクに6時間くらいかかって、日が落ちかけた頃に撮影が始まったんで、凄く寒かったです。 |
|
|
|
―アルバム1曲ずつお話を伺いたいのですが、1曲目はさきほどお話にも出たタイトル曲の"I want to be loved"。メインボーカルはどなたですか? |
|
| 朝日 : |
川本さんです。私だと思っている方もいるみたい。元々'40年代にサバンナ・チャーチルというジャズのシンガーソングライターが作った、I
wannna be loved 〜♪っていうゆっくりなテンポの曲で、それを'50年代にルース・ブラウンていうR&Bのシンガーがカバーしたものをリメイクしてます。 |
| もりばやし : |
「こういう曲やりたい!」っていうと健太郎さんとかがいっぱい知っているから、「こんなんあるよ、あんなんあるよ」って教えてくれるので、「あれがいい、これがいい」って言いたい放題(笑)。「やっぱヤだ」とか(笑)。 |
|
|
―やはりソロワークとは違いますか? |
|
| もりばやし : |
全然違うよね。ソロの息抜きくらいな感じ。 |
| 朝日 : |
遊び心というか。普段ビジュアルなところから音楽を作ったことがないので。あとエゴが一切ないですね。 |
| もりばやし : |
入ってないかもね。自分の作品だったら、フレーズ1個もずらせないくらいの感じだし、TD(トラックダウン)もマスタリングも全部がっちり立ち会うんだけど、今回のはお任せーって感じで(笑)。 |
| 朝日 : |
それくらい風通しのいい感じで楽しかったです。 |
| もりばやし : |
1人だと深刻で重くなっちゃうからね。 |
| 朝日 : |
人が音楽聴く時って、そんなに君の内側見せられてもっていう部分があるじゃないですか。楽しいものを聴きたい時とかあるし。疲れて帰ってきた人に聴いてもらいたいですね(笑)。 |
|
|
―ソロワークの時とは違った形での表現はいい経験になったんじゃないですか? |
|
| もりばやし : |
面白かったよね。 |
| 朝日 : |
うん。皆それぞれソロでは出来ない体験が出来て面白かったです。音楽的にも面白かったですよ。自分自身の発見もあったし。"Gone
The Rainbow"はもりばやしさんの歌い方がちょっと違うのと、かわいらしいのが声の部分だけで、バックはわりとハードな演奏で、hi-posi
ぽいテクノなシンセが入ってないとか、そういう作りが新鮮で、hi-posiでもっとこういういの聴きたいって思いましたね。 |
| もりばやし : |
それはね、凄いヒントもらいました。こういう感じもいいんだなって。 |
| 朝日 : |
私も歌い方がソロと全然違ったりして。書き下ろしの"Sunset
Blue"は自分の世界観ではないんですけど、歌詞に合わせて歌っていくと自分の歌を歌っている時と変わっていくんですよ。最後の日本語バージョンの"I
want to be loved"も私が歌っているんですけど、歌詞に合わせていくと発声が変わっていって。作り物っていうよりは自然に変わっていくんですよね。最終的に音楽的発見が出来てよかったよね。 |
| もりばやし : |
そうだね、お得だったね(笑)。 |
|
|
―さっき話に出た2曲目の"Gone The Rainbow"ですけど、意識的に歌い方を変えたんですか? |
|
|
| もりばやし : |
いや、変えたというか元々の歌い方に近いというか。最近もうウィスパーしかやってなかったんですけど、元々は「あ゛ーっ!」とか凄い元気に歌ってたんですよ。そこのところがちょっと出たのかな。 |
| 朝日 : |
私も「初期ぽい」って言われたの。初心にかえったアルバムですかね(笑)。 |
| もりばやし : |
この曲を最初選んだ時は、サビのとこだけ覚えていて、「あれをアップテンポでやったら面白いな」ってぐらいで選んだんですけど、歌うってことになってちゃんと歌詞とかよく読んだら反戦歌だったんですよ。凄い深刻な内容で怯んじゃったって言うか。サビの部分は言葉遊びというか意味がわからない感じですけど、それ以外の部分が「あの人は戦争に行ってしまった」みたいな物凄い重い反戦歌なんですね。オリジナル聴いてもらうとわかかるんですけど、ほんとに暗いんですよ。こんな遊び気分で歌っていいのかなって思ったんですけど、私はここんとこ社会運動みたいなことをずっとやっているし元々反戦という思いは強いから、ヘビーなメッセージをこのぐらい弾けて踊りながら明るくやってもいいかなーって思って。それでやってみたら結果的には凄いよかったので、そういうことも凄いヒントになったっていうか。 |
|
|
|
―今回の曲調からは反戦歌というのは感じ得ないですけど、音から入って詞の内容を知るというのもいいんじゃないですか。 |
|
| もりばやし : |
そうですね。自分が最近そういう活動ばっかりしてるからこういうのを偶然選んじゃったのかなーって思いました。 |
|
|
|
―次は3曲目の"Three Topazs"について教えて貰えますか。 |
|
| もりばやし : |
これはサウンドの核がエマーソン北村さんで、最初オルガンと小さなリズムボックスだけでスタートしたんです。 |
|
|
|
―これは敢えてボーカルレスなんですか。 |
|
| 朝日 : |
北村さんはオルガニストなんで。まん中の部分には最初北村さんのコーラスが重ねてあったんで、そこは私達3人でやることにしたんです。 |
|
| ―では4曲目の"Sunset Blue"。これは唯一ミディアムテンポの曲ですよね。 |
|
| 朝日 : |
"I
want to be loved"と、真琴ちゃんが書いてきた曲と、もりばやしさんが選んだ曲を聞いて、ちょっと違うテンポの曲があってもいいのかなと思って。2曲書いてみてこっち("Sunset
Blue ")が採用されました。'50年代の感じで、ドゥーワップみたいのがあったらいいかなって思ってたんですけど、斎藤誠さんにギターを弾いてもらったら'70年代まで上がっちゃいました(笑)。 |
―普段の作品とは違う世界観ですか? |
|
| 朝日 : |
そうですね。自分の事を歌わないっていうところが。'50年代ぽい感じ、といっても私は'80年代から見た'50年代しか知らないので、チェッカー
ズとかの歌詞を見たりして(笑)、あと松田聖子さんとか、そういうい雰囲気のもので自分が出来るものを作ってみました。ミホミホマコトには渚似合わなそ
うだけど海が出てきたらいいかもとか。"I want to be loved"が恋の歌だから失恋の歌がいいかもと思って書きました。 |
| もりばやし : |
そんなこと知らなかったー。失恋でもしたのかなーと思ってた(笑)。それか失恋の想い出なのかなと。 |
| 朝日: |
(笑)。ちょっと大人の感じを出したかったんですよ。以前、斎藤誠さんのラジオにゲストで出させてもらって、誠さんのギターで歌わせてもらったんです。その時にとても感動して、またご一緒したいと思っていたんです。そこが一番こだわったところかもしれません。ブルースギターがとても好きなので、誠さんも「こんなベタなのでいいんですか?」って感じだったんですけど、「もっとやっちゃって下さい」とお願いしました。自分の作品では恥ずかしくて出来ないし、誠さんもやらないと思うんですね。ベタなものが全てにおいて欲しかったんですよ。 |
| もりばやし: |
そうだよね。今回相当ベタだよね、全般的にね。 |
| 朝日: |
歌詞も曲もベタなのをやりたいと思ったんです。 |
| もりばやし: |
古い歌謡曲のベタな感じが面白いと思ったんで。 |
| 朝日: |
真琴ちゃんの曲もストレートだよね。 |
―それが5曲目の"ラバトでキャメル"ですよね。 |
|
| 朝日 : |
そうです。 |
川本真琴 コメント |
<ミホミホマコトでCDを作るという話がでて、しばらく何の音沙汰もなかったのですがあれよあれよいう間に進み、最初カバーを何曲かするというところから、オリジナルが入りビデオまで売り出すというえらい事になってしまったわけです。ラバト〜の曲は、未発表の曲でいいのない?という提案だったので、10年前に作たMOTOWN調の曲が合うかもと思い(かなり思い入れのある曲でして)それを基本に作ってみました。詩はトクガワロマンさんとの共作で長いおつきあいなのですが、どっちかが妥協するとかぜんぜんなく、今回はすごくうまくやれてよかったです。いろいろ気を使って頂き、自分の楽曲や歌だけをやる事に専念できました。> |
―最後の"I want to be loved"は日本語バージョンですよね。 |
|
| 朝日 : |
最初は川本さんが歌う予定だったんですけど、「歌えないです」って(笑)。"ラバトでキャメル"を締め切りギリギリまでやってた事もあて、私が歌うことになりました。英語バージョンと雰囲気が全然違うんです。フランス語バージョンをもりばやしさんでやりたいなって思ってるんですけど。 |
| もりばやし: |
えーっ(汗)。 |
|