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宙也  ( LOOPUS )
Interview 1/2   Crossroad of 27  (27歳の岐路)
 
時間の流れをゆったりと変えてしまえる人である。少年期の話を聞いていると、突出しすぎない目立ちたがり屋であり、それ以上に凝り性である。不思議なバランス感覚の持ち主だと思った。
インタビュー前半は剣道とドラムに熱中していた10代を追ってみる。
 剣道にはまる

―ご出身ってどちらなんでしょう?

生まれたのが練馬区の石神井で、そのあと保谷市に引っ越して、それから20数年いましたね。


―宙也さんって、お子さんの頃のイメージが全然湧かないんですけど。

え? いや、普通の子どもでしたよ。自分では変わってるとか思ってなかったけど、数年前に親父に「おまえ子どものころ情緒不安定だったな」って言われて、ショックでしたね(笑)。

―気分の波が激しいとか?

うん……あと、ひとり遊びが好きでしたね。今思い出すのは、結構うちの周りが缶蹴りスポットだったんですよ。で、友だちが誘いに来るんです。なのに部屋で何かをやってて、それをやめたくなくて居留守を使ってたっていうのはありますね。
何やってたんだろう……。物を作るのは苦手だったんですよね。調べ物が好きで、辞書とか時刻表とかはよく読んでて。で、架空の旅程とか作ったり(笑)。各駅停車だけで乗り継いでどこまで行けるのかって、書き出してみたりね。


―外に出るのが嫌いな訳じゃないんですよね?

それはないですね。でも結構(背が)小さかったから……野球チームの中でも下手くそだったし、団体行動はだいたい駄目で。剣道はずっと習ってたんですけど。

―あ、剣道やってらしたんですか。

うん、小学校3年から高校まで。うちの親も小柄なんですけど、柔道やってたことがあって、柔が剛を制すじゃないけど、小さい者が大きな者を倒すっていう考え方をしてて。で、近所に剣道場があったんですよ。で、やってみたいなって。同級生と3人くらいで。で、友だちが行くからっていうのと親が勧めたから始めた……はずがいちばん嵌って(笑)。
学校とか友だちと一緒に何かをすると、どうしても団体競技が多いじゃないですか。苦手だったんですよね。だからといって、個人でやるような鉄棒とか全然出来なかったし。


―剣道って、運動神経とか反射神経より、自分の中にあるものが先に出てくる気がしますよね。

そう。あと、始まる前に正座して、お辞儀して、黙想をしてっていう、段取りも好きだったんですよね。

―様式美が(笑)。

かもしれない(笑)。大相撲も大好きでしたね。

―やっぱり様式美を求めてますね、子どもの頃から(笑)。

あとね、誰がどこの出身でとか、データを覚えるのが好きなんですよ(笑)。今もね、CDとか買うと、先ずプロデューサーは誰だろうとかチェックしちゃうんです。

―昔って、○○博士みたいな、それについては誰よりも詳しいっていうの、ありましたよね。

うん、でも、誰にも負けないってところまでのめり込みはしないんだけど(笑)。自分が好きなところだけ掻い摘んで、それで満足してた。あと自分なりの拘りがあって。
 
様式美って言っちゃうと堅いんですけど、例えば習字をやっても、周りは墨汁使ってるんだけど、やっぱり墨を擦るところから始めないとって。そういうのって今でもあって。髭剃るにも電動じゃ駄目で、ちゃんと蒸しタオルしてやりたいんですよ(笑)。
思い出すのはね、幼稚園の遠足で名栗川に行ったんですよ。それがね、凄く楽しかったんです。で、家族で休みの日に弟も連れてハイキングに行こうってなったときに、名栗川に行きたいって。でもさ、川って長いじゃん(笑)。僕にとっての名栗川は遠足で行った場所なんですけど、家族に連れていかれた場所は全然景色が違うんですよ(笑)。もう1回あの景色の中で遊びたいって思ってたので、「ここは名栗川じゃない」って山道をひとりで歩きだしちゃったってことを、凄い覚えてるんですよね(笑)。
でも、ひとりで歩いてひとりで辿り着いてひとりで遊ぶってところまではいかないので、ついてきてるかなって後ろ気にしながら(笑)。


―ああ、無謀な子どもではなかったと(笑)。

うん(笑)。目立ちたがり屋ではあったかもしれないですね。

―どういうことで目立とうとしていたんですか?

小学校の通学用の帽子を、ハンチングのように後ろを折って被るのが流行ってたんですよ。それを僕は前を折って被ってましたね(笑)。違うぞって(笑)。無意識に他と違う格好をしたりしてたかもしれない。

―みんなと同じことをするのが格好悪いと思ってたとか?


いや、そこまで考えてない(笑)。ちょっと目を引こうかなと思ってたくらいで。

―でも、それって一歩間違うと苛められますよね。

それはなかったな。子供会の班ごとにお芝居やったときにね、アドリブでいきなりひとりで出ていって五木ひろしの物真似やったり。あれはウケましたねー。あんなにウケたこと、未だにないもん(笑)。担任の先生がいちばん大笑いしてたから、凄い嬉しかった。

―20数年歌ってきて、それがいちばんウケたっていうのはどうなんでしょう(笑)。

言い方変えれば、人前で歌う快感を初めて知ったってことで(笑)。
小学校のときは、3人の先生に習いましたけど、みんな大好きでしたね。中学の先生は嫌いでしたけど(笑)。


―中学校って坊主にされちゃったりするんですか?

いやいや。その頃ってみんなお洒落に目覚めはじめますよね。髪伸ばしはじめて。そのときにね、逆に坊主にしちゃったんですよ。

―目立ちたくて?(笑)

そう(笑)。みんなが中途半端に髪伸ばしたりリーゼントしたりしてるのにね。そういや、アイパーもやったな(笑)。

それは凄い(笑)。中学校では部活とかやってらっしゃいました?

剣道やってましたね。好きだったんですよね、本当に。小学校6年の卒業文集に、プロフィールみたいなのを書く欄があって、尊敬する人物とか書くじゃないですか。まあ、普通は両親とか、あるいは偉人とか。なのに僕は訳の判らない、その年に全日本剣道で優勝した選手の名前とか書いてましたからね。親に凄い怒られた「誰だこれは」って(笑)。
全日本の選手とか見ると大抵国士舘とか出身なんですよ。で、「国士舘大学に行きたい」って言って、凄い怒られたり。うちの親父、左翼なんでね(笑)。強くなりたかったんでしょうね、きっと。


―じゃあ、大会とか目指して。

いや。実は中学入ったあとで、暴走族とかじゃないんですけど、授業さぼったりする程

のツッパリになっちゃいまして。剣道頑張るより、女の子にもてたいって色気も出てきて。その辺りでロックと出合ったんですよね。それまではテレビから流れてくる歌謡曲くらいしか聴いてなくて。

 ロックにはまる 

―子どもの頃に触れた音楽で印象に残ってるものってあります?

初めて買ってもらったレコードはね、「黒猫のタンゴ」。あの歌詞をカレンダーの裏に大きく書き写して。あとは、やっぱり剣道やってたんで森田健作とかね。他には、時代的に西城秀樹とか野口五郎とか郷ひろみとか。フィンガー5。

―その中では西城秀樹がいちばんロックっぽいですかね。

そうですね。西城秀樹なら「YMCA」まで。ジュリーなら「TOKIO」まで。デヴィッド・ボウイなら「Let's Dance」まで、みたいな(笑)。判ります?(笑)

―判ります、凄く(笑)。ロックは何から入ったんですか?

最初はビートルズですね。クラスで数えるほどなんだけど、洋楽を聴く奴っているじゃないですか。お兄さんがいて。そいつがうちに遊びに来たときにビートルズを聴かせてくれて。それからラジオを聞くようになって。
日本だとキャロルとか。あ、あとダウンタウン・ブギウギ・バンドが流行った頃ですね。


―ああいう、ちょっと「拗ねてます」みたいなルックスに惹かれたり?

いや、僕の場合は、ビートルズのあと、何故か外道ってバンドにはまっちゃいまして。お化粧バンドなんですけど。だから多分、バンド始めたきっかけって、グラムよりも外道が大きかった気がしますね。派手さに惹かれたんですよね。多分、最初は雑誌か何かで写真を見て、あとファーストアルバムのジャケットが手書きっぽい文字が入ってて、暴走族っぽいんですよ。でも写真を見たら化粧をしてて、刺繍の入った法被か何かを着てるんです(笑)。

―外道ってどういう音楽だったんですか?

ハードロックですね。ジミ・ヘンドリクスとかクリームみたいな。3人編成で。凄くヘヴィーで、日本語でロックをやっているっていうのがね。音はシンプルで、詞は文学っぽいんですよ。村八分まで文学的ではないんだけど。
ビートルズは勿論大好きで、外道を聴いて、そこから先は色々なものを探して聴きましたね。何処にもないようなバンド、フォロワーがないようなバンドを探すのが楽しかったんですよ。
話が飛んじゃうんだけど、サンハウスを初めて写真で見たときのインパクトっていうのがあって、音を聴いて「こんなの聴いたことない!」って。そういうのを探して。
何かを見つければ、そのバンドが影響を受けたものを遡って聴いていってっていう感じですよ。
そうやってハードロックを聴きましたし、高校入るくらいにちょうどパンクにはまって。僕が読んでいる雑誌ってミュージック・ライフとかなんですよ。で、それまでずっとクイーン、エアロスミス、KISSが毎月表紙だったのが、ジョニー・ロットンが表紙になったことがあったんです。その写真が格好良くて、それ持って床屋に行きましたね。でもその頃ってまだ逆毛を立てるっていう技術が理容師の中になくて(笑)、変な頭にされちゃいましたけど。


―ああ、やっとパンクの話になってきましたね。
中学で初めてロックを知って、中3で初めて横浜までコンサートに行ったんですよ。その外道を観に。物凄く感動しまして。
で、音楽やりたいと思ってたんだけど、うちの父も元々芝居とかやってたんで、アート方面には凄く理解があって。油絵の道具をぽんと買ってくれたりとか。それで、知り合いからフォークギター貰ってきてくれて。でも全然弾けなくて。まあ、根気もなくて。自分には合わないって、その頃から思ってて。未だにギター弾けないんですけど(笑)。

 
宙也
2月4日生まれ。東京都出身。
ALLERGYを経て、1988年De-LAXにてデビュー。現在1996年結成のLOOPUSを率い活動中。
LOOPUS
Vo 宙也
G 斉藤 律
B 三賀 勝稔
Ds. 堀江 毅

CD Information
「FOUR」
2004.11.17 Release
TARGET ENTERTAINMENT
(TQCJ-1003)
\2,300(tax in)
1.G-machine
2.Biorising
3.aWa
4.Dirty Pop
5.Sadness
6.Jesus Vice
7.Loss

Live Infomation
2/19(Sat)
 渋谷O-Crest (ワンマン)
3/5(Sat)
  大塚RED-Zone
   
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