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広瀬さとし (Velvet Spider)

Interview 1/2   Crossroad of 27
 44MAGNUM

―広瀬さんのその葛藤って、44マグナムで活動していて、デビューする前あたりのお話ですよね。

そうなりますね。

―デビューのきっかけって何になるんでしょう。

PAULは色々やってましたけどね。あいつはデビューする気満々で。ツテを辿って人に会いに行ってプレゼンしたり、デモテープ送ったり。でもね、大きかったのは多田かおるさんの「愛してナイト」じゃないですかね。キッスレリッシュの。

―あの頃って、まだ漫画のイメージアルバムみたいなのって珍しかったですよね。

そうなの? そうなのかな。少女漫画あんまり読んでなくて。読んだことがあるのって山岸涼子と「うる星やつら」くらいですから。あの色っぽいサクラさんとね、あと怒ると関西弁になる子……。

―ランちゃん?

その子がおもしろかった(笑)。そんな感じで、本当漫画とかよく判らないんですよ。でも、「愛してナイト」のおかげでデビューに繋がりましたからね。多田さんには感謝してます。ちょっと言葉では尽くせない感じで。

―PAULさんがそうやって精力的に動いてらっしゃるとき、広瀬さんご自身はどういうふうに考えていらしたんですか?

「ふーん」って感じでしょうか(笑)。あんまりそういうことに興味がなくて。
というのもね、さっきお話ししたような時期だったんで、確かに色々なことを考えてはいたんだけれども、その中にデビューっていうものがなかったんですよ。
厭だとかいうんじゃなくて、メジャーに行きたいとか、そういうことよりも自分のギターのことに頭が行ってて。将来のことなんて何も考えてませんでしたからね。
まあ決まったときはそれはそれで素直に嬉しいわけですが(笑)。


―そして上京になるんですね。

そうですね、某音楽評論家の家と当時の某レコード会社ディレクターの自宅に転がり込んで。

―定住しないんですか(笑)。

してませんでしたね。ツアーに行くじゃないですか。上京してきたっていっても、いないんです、東京に。機材車乗って移動してるわけです。


―ああ、なるほど。


で、東京出てきたら、遊ぶところがいっぱいあるわけですね。遊びに目覚めてしまいまして(笑)。六本木とかよく来てましたよ。あと、新宿のツバキハウスとか。だってね、行くと「おおっ!」って言われて、優遇されるんですから(笑)。それなりに名前も顔も売れはじめてたから。
それから4、5年のうちに今度は文学にはまってしまいまして。

 
 文学への傾倒

―三島ですか?

そうそう。最初に読んだのはね、「愛の渇き」。タイトルがいいなと思って、なんとなく手に取ったんですよ。そうしたらものの見事にはまりました(笑)。本当に、なんていうのかな、視点とか、作品の構築とか展開とか、すべてが凄い刺激だったんですよね。自分はなんてつまらない価値観の中にいるんだろうって、そういうショックもありましたし。
それで、三島を読み漁って、小説を読むだけじゃ足りなくて、三島っていうのはどういう人間なのか知りたくなって色々調べて。そこからさらにコクトーとかラディゲとか、そういうフランスの文学に行って。
本当にやたらと本を読んでましたね、そのころは。それこそ閉じこもって本だけ読んでるようなはまり方。ある種の現実逃避だと思われたかもしれませんけど。でも、そうやって自分の小さな世界から、裾野が広がっていくという感触はありましたね。何より、夜遊びが減りましたから(笑)。

―お話を伺っていると、単に読書が楽しい、面白いというより、もっと……メンタルな部分での変化に三島が合致した、というような印象ですが。

そうでしょうね。だから、マグナムのパブリック・イメージと自分の内面とのギャップとか、そのころに興味を持っている音楽とか、ある意味自堕落な生活とか、もう色々なものがばらばらなんですよ。

いちばん大きかったのは、やっぱりマグナムのイメージだと思いますよ。44マグナムっていうのは、無茶苦茶をやるもんだと思われていて、まあ、それなりに実際無茶苦茶やってたんですけど、それを要求されるようになっていた訳ですよね。求められたいのはそういうことじゃない訳だし、何より、俺は部屋で、見ようによっては暗く三島を読んでる訳です(笑)。
なんかね、「やってられない」みたいな気持ちはありましたよね。表現というものを真剣に考えはじめた時期でもありますしね。
だからマグナムっていうのは10年やっていた訳ですけど、後半はそんな感じだったんです。解散したのは89年なんですけど、その前の年には解散を、少なくとも俺は決めていたというか。
 


Velvet Spider OFFICIAL SITE : http://www.velvet-spider.com/
interview : t_i n
photograph : Chakoba
広瀬 さとし (JIMMY)
10月6日生まれ。大阪府出身。
'83年、44マグナムでデビュー。'89年に解散後、TOPAZ、spAed、Φを経て、'01年44マグナム再結成。'03年末、新プロジェクトVelvet Spiderを始動し、今夏1stアルバムをリリース。
Velvet Spider 
Vo AOI
G. Satoshi "JIMMY" Hirose
B. Backy
Ds. Roger TAKAHASHI

CD Information
「Velvet Spider」
2004.7.28 Release
DANGER CRUE RECORDS
(DCCA-28)
 \2,800(tax in)
1.Scheherazade
2.Johnny Angel
3.ココ・モーション
4.Living On The Edge
5.LOVESHADOW
6.イケないマイケル
7.Now&Then
8.眠れぬ夜と君の理想…
9.Strange Days
   〜おかしな日々〜
10.アXル☆セクション
11.Tell Me
12.天使の休息

Live Infomation
8/9(月)
   渋谷O-Crest 
8/29(日)
  TOWER RECORDS
   渋谷店
LIVEに関する詳細はこちらへ
www.velvet-spider.com
   
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