ミュージックウェブマガジンばんび
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木暮武彦  ( psychodelicious )
Interview 1/2   Crossroad of 27
 エレキギターを手にして

―楽器弾くのが楽しいって思えるようになったのは、始めて直ぐなんですか?

んー、エレキギター弾くようになってからかな。

―エレキギターを弾くようになったきっかけって何でしょう.。

中学校で引越しして、前の学校にギター部っていうのがあったの。俺は野球部だったんだけど。そのギター部が、俺が転校したあとエレキギターをやるようになってたんだよ。で、そのギター部にいた友だちが、エレキギター持って遊びに来たんだよ。
で、ベンチャーズを目の前で弾かれて吃驚しちゃって。

―それは格好いいっていうショックですか。

格好いいというより、「凄い!」だね。ベンチャーズのあのタカタカタカっていう音がショックだったんだよね。
―エレキギターはお母様の反対にあわなかったんですか?

それはなかったかな。

―お話を伺ってると、その時々に欲しているものをきちんと与えてくれる、理解のある親御さんという印象ですが。

いや、不理解だったよ(笑)。でも、エレキギターに関しては反対されなかったね。
中学で、「将来は音楽をやるか絵を描いて楽しく生きていきたい」って書いたことがあるんだよ。そうしたら怒られて。「楽しく生きていくなんてとんでもない。世の中は辛くて、それを耐えていくところなんだ」って言われて。それがいちばん大きい、ぐさって刺さった言葉だった。世の中って楽しく生きちゃいけないのかって。なんで皆会社行ったりしてるんだろう、もっと絵とか描けばいいのにって思ってたからね(笑)。今の俺が言うとしたら、「とにかく本気でやれ」って言うよ。でも、そのときは「駄目だ」って言われちゃったからね。音楽の大学行きたいなって言ったら、そのためには勉強ができなきゃいけないって言われて。え、音楽やるのに勉強しなきゃいけないのかって。俺は勉強嫌いだから無理だなーって思ったり。だから、それが凄いトラウマなんだよ。それとずっと闘って生きてる。今も闘ってる。楽しく生きようって(笑)。

―子どもって将来○○になりたいって、夢を語るじゃないですか。でも、大人って内心は「そんなの夢に過ぎない」って思ってますよね。木暮さんが音楽を続けてこれた原動力って何なんでしょう。

やりたいから、じゃない? エレキギターに出合ったら、止まらなくなっちゃったんだよね。本当にもう、犬みたいな気持ちって俺は思うんだよ。衝動が止まらなくなっちゃって。走らずにいられない、みたいな。ずっとそうだった。

―そうすると、部活で野球をやってらしたと仰ってましたが、野球も頭から飛んじゃうんですか?

野球も好きだったから続けてはいたけどね、どっちを選ぶかと言われたら、野球にはそんなに才能がないと思ってたから。ロックって、それまで親の作った世界にいたそれをぶち壊そうって思えてくるんだよ。言うことは聞かなくなったし。もう止められなかった、自分では。
で、友だちとバンド組もうって話になって。俺の学年って5クラスもあったんだけど、ギターを弾いてる奴って数人しかいなかったんだよね。そういう奴らと集まってバンドやろうって。中学の終わりごろかな。ちょうど受験の真っ最中だね。高校行ったら本格的にやろうって。

―そういえば、どこかのコンテストに出たそうですね。

ニッポン放送の。チューリップのコピーやって。春休みだったかな。始めて直ぐだよね。チューリップを好きな女の子がいて、アルバムを聴かせてもらったんだよ。そうしたら凄くよくて。あとね、ちょうど懸賞でコンサート招待っていうのがあって、当たったんだよ。それで観に行ったらよかった。入りやすかったんだろうね。

―それはビートルズが入ってきやすいのに近いものがありますね。

そうそう。バンドで、エレキギターがあって、歌がよくてって。

―高校入ったら、もうバンド三昧ですか。

うん、KISSが出てきて、エアロ(スミス)が出てきて、ジェフ・ベックとか。もう、1年かそこらでピンクフロイドとかキング・クリムゾンまで聴くようになって。次々聴きたくなるんだよね。誰かが持ってたら貸してもらうし、持ってなかったらアルバイトして買うし。

―高校生だと、まだコピーバンドが主だと思うんですけど、その中で目指しているバンドとかありました?

最初はどれも凄かったよ。ピンクフロイドやキング・クリムゾンは怖かったね。聴いてて逃げたくなっちゃうような怖さがあって。KISSは聴いてると楽しくて仕方ない気持ちになったし。でも、どれもみんな凄いなとは思ってたけど、何ができるかなんだよね(笑)。そうなると、KISSがいちばん簡単にできた。聴いてる衝撃も強かったし。ローリング・ストーンズはKISSやLED ZEPPELINに比べたらよく判らなかったんだよね。中途半端な気がして。
―ポップなものがお好きですか?

うん、好きだったね。

―やはりレッド・ウォーリアーズのイメージが強いんですが、木暮さんの考えるポップを表現したものだったのかなと思っていたんです。

元々洋楽のポップスが好きだったからね。3コードのロックが格好いいとか思ったことない。逆に"ジョニー・B・グッド"みたいなのは好きじゃなかった。

―パンクは聴かなかった?

あとから聴いたけど、その当時は興味がなかった。ふうん、こういうのが出てきたんだって思っただけで。でも、後になって聴いてみると、凄かったけどね。そうなるとまた犬みたいな気持ちになっちゃって。眠れなくて朝まで聴いてたりもしたけど、1か月くらいで飽きちゃって(笑)。

―初めてオリジナルをやろうと思ったのは幾つくらいのときですか?

二十歳くらい。

―じゃあ、それまでは音楽で食べていこうとは強くは考えてなかった?

思ってはいたけど、どうせ反対されると思って言えなかった。高校卒業する頃に進路をどうするのかって話になって。で、うちのお袋はずっと俺を大学に行かせたかったみたいで。母子家庭だけど大学に行かせたいっていうプライドがあったみたいで。
俺は別に勉強したくもないし、大学はいいやって思ってたんだよね。音楽をやっていこうと思ってたし。そうしたら、大学行かないなら就職しろって言われて、それはやだなと思って大学に行くことにしたんだ。だから、あまりポジティヴな選択ではなかったね。もし、音楽やりたいなら一所懸命やりなさいって言われてたら、やってたと思うんだよね。で、無駄なお金払って無駄な時間過ごして。自分も何もスイッチが入らないから、惰性で大学行って音楽続けてみたいになっちゃった。

―二十歳くらいで音楽をやっていこうと思い定めたきっかけってなんだったんですか?

自分でギター弾いても巧く弾けなかったから、才能がないんだなって思ってたの。もう3年も4年も弾いてるのにって。周りには巧い人が何人もいるしね。で、ギターが駄目ならキーボードでも弾いてみようかって思ったりもしたんだけど(笑)、その頃にビートルズ聴いたら、全然難しくないんだよね。これでいいじゃん、って思ったんだけど、でも、自分がやりたいのはロックの衝動なんだよね。セックス・ピストルズはギターソロがないからそれもつまんない、じゃあ、そういう音楽を作ればいいんだって思ったんだよ。自分の衝動を吐き出せて、自分でも弾ける音楽を。

だから結局、自分の衝動と出来ることを考えてオリジナル作ろうってなったんだよ。それで大学も辞めちゃって。それまでの生ぬるい生活……行きたくもない大学行って、サボりながらバイトして、のんびりバンドやって、みたいなものに耐えられなくなっちゃって。じゃあ、辞めよう、家も出よう、バンドだけやっていこうって。1枚でもいいし、2枚でもいいから自分の生きてる間にレコードを出したいって。

そう思ってから、本当に生活が変わったんだよね。集まってくる人間もどんどん変わったし。そう思った瞬間から1年後くらいには、いろんなことが凄くよくなっていってた。その頃にはもうレベッカとかレッド・ウォーリアーズのメンバーにも出会ってたし。。


―そのとき木暮さんがイメージしていたバンドってどういうものだったんでしょう。

なんていうのかな……新しい時代を切り開くようなエネルギーと独創性があるもの。

―デビューなさったのは24歳。決して遅くはないですよね。

俺は遅いと思ってたよ。二十歳でセミプロみたいな感じになってて、野音とかでBOWWOWやアナーキーとかと一緒にライヴもやってたから。そんな中で俺はこれじゃないなと思ったらメンバーくびにしたり、バンド作り変えたりとかしてたから、なかなかそういうふうになれなかったんだよ。アメリカ行っちゃったり。

―それは子どもの頃に夢想していた「ここではないどこか」を探しに行っちゃったんですか。

というより、世界で音楽がやりたかったから(笑)。

―それは本当に最初から?

うん、それこそ中3の頃から。
 


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木暮"shake"武彦
3月8日、東京都出身。
レベッカ、レッド・ウォーリアーズ、カジノ・ドライヴを経て、現在psychodelicious及び深空で活動中。
psychodelicious
holly mountain jam
G 木暮 武彦
B サミー
Ds. 柏原克己

深空
G 木暮 武彦
Sn 三国義貴


CD Information
ミドリ色の記憶
2005.3.15 Release
\2,000(tax in)
1.FLOWER STONE 
2.GREEN ICE 
3.死にかけて 
4.クロワゾニズム 
5.緑の部屋 
6.Maai 
7.KANDENSKY

Live Infomation
6/19 下北沢440
7/8 初台DOORS
9/10&11
河口湖ステラシアター
interview : t_i n
photograph : kayo
 
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