ミュージックウェブマガジンばんび
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柴山俊之 (Zi:LiE-YA)
Interview 1/2   Crossroad of 27
 解散〜上京 作詞家としてのジレンマ

- 行き詰まったうえで解散したときって、何を考えてました?


ひとりで好きな音楽をやっていこうと思ってた。東京に出ようとも思ってたし。だから、解散ってなった翌々日には東京に出ちゃったからね。
ちょうど27〜8歳くらいだったんだけど、ソロの話もあったし、取り敢えず出てみようと思って。まあ、その話は断っちゃったんだけど。バンドを作らないかという話もったけど、また一からやり直すのが辛いなと思って。そうこうしているうちにお金なくなっちゃって、飛行機代がないから帰ることすら出来なくなって。
SONHOUSEって福岡では結構人気があったんですよ。そこにうだつが上がらないままで帰るなんて恥ずかしくてね。東京にいてもすることないんだけど、帰って同情されるのも辛いしね。

そうしたら、作詞の仕事が来ちゃったんだよね。お金になるし。こんなんでいいなら、こっちのほうが楽だしって(笑)。苦痛でもないし。5年くらい続けてたんだけど、イヤになっちゃってね。作品がね、つまらないものに仕上がってくることが、俺はもう嫌なんですよ。自分がイメージしたレベルを著しくダウンしたようなものが出来あがってくるのが辛いところがあって。それをまた「凄くいいものが出来た!」とか言われちゃうとね。それに、芸能界の仕事が増えて、あの業界の人たちと付き合うのも辛かったし。
人に提供する詞を書いててストレス溜まっちゃってさ、それを吐き出すところが全然なくて。
それでライヴの話をが来たからやってみようかなと。昔の名前でやれちゃって、周囲がわっと湧くと、ああ俺もまだそれなりにやれるのかなと、自分の風体だとかも忘れちゃって。
そのころって今写真見ると気持ち悪い。業界人に近くなっちゃてる。テクノ風というか、服装もコムデギャルソンとかアルマーニ着てたりとか。
自分でミュージシャンですなんて言うの恥ずかしいような格好してた。自分の中にあるミュージシャン像に合わないっていう意味だけど。そういうこと全然自覚しないでステージに上がって歌ってたから。
そうしたら、ある日昔の・・・・・・SONHOUSEの頃の友だちが見に来て、そいつが「気持ち悪いからやめてくれ」って言うわけ。業界的なイメージもそうだけど、ずっと作詞とかしていて身体もぶよぶよになっちゃってたんだよ。それからかな、「こんなんじゃヤバイ」って。音楽をするためにっていうんじゃなくて、もうみっともないと自分で思って。
それで、自分の思う健康というものを考えて、水泳とか始めて。

- 柴山さんは、それまでは「楽しいから」音楽をやってこられたわけですよね。じゃあ、ある意味「音楽をやる」覚悟みたいなのが出てきたのは、その5年間のブランクのあとなんでしょうか。

そうだね。その5年の間って、音楽を商売として聴かなかったんですよ。それまでは、何を聴いても自分のヴォーカルに役立てようとか、そういう下心があったんです。でも、歌わなくなって、ただのファンとして音楽を聴くようになって、それでいろんなことが判ってきたんです。
そういうふうに聴かないと音楽というのものは身体に入ってこない。何かを盗もうとして音楽を聴く段階っていうのは必要かもしれないけれど、そのあとには、純粋に音楽を聴くっていうのが大事なんだよ。
まだ自分が音楽を始める前に聴いていたものっていうのは、自然に自分の中にあるもので、誰だってそういうのはあるでしょ。そういうところに立ち返らなきゃいけないんだっていうことにその5年間で気づいたんです。

だから俺は運がいいなって思うよ。そういうことに気づけたっていうのはね。気づかない人も多いけんさ。

- 振り返ってみると、いいタイミングで色々なことがあったように見えますよね。音楽をやるということに関しても、メンタルな部分でも。

真面目にやってきたからじゃないかな、きっと。生活態度とか、音楽以外の部分では滅茶苦茶な部分も沢山あるわけですよ、正直言って。でも、音楽に対してだけはもの凄く真面目なんですよ。異常なくらい。
その異常なまでの真面目さでやってきたことが、財産として残ったのかなと。だから、「ああ、もうヤバイかな」と思ったときって何回もあるけんね。生活にしても。なのに、そういうときに何か出てきたり、出会いがあったりするから。助けてくれる人がいたりね。
あとは、何十年経っても腐らずに生き残れる作品を作ってきたってことだと思う。SONHOUSEの頃に作った音楽っていうのも、未だにちゃんと残って、未だにCDとして売れて。そういうことの意味って、作詞家とかやってたから判るんですよ。
俺が書いた詞って、千曲くらいはあるんですよ。その殆どが2年も経たないうちに消えてしまってたりする。でも、SONHOUSEの曲ってのは、今も新しく聴いてくれる人がいるんですよ。
だから、使い捨てになるような曲はなるべく作らないようにしたい。やっつけ仕事になっちゃうようなことはしない。そういうのもひっくるめて、俺は自分のよくないところとかを見てきてるんだと思う。
もちろん、いい加減に書いた詞はないよ。自分で唄えないようなものは恥ずかしくて人に渡せないから。依頼してくるほうがそこまで考えてないってことはあったけど。それを突っぱねると生意気だとかトラブルメーカーだとか言われたことも随分あったし。そういう意味では、俺は職業作詞家にはなれないなって思いますよね。

- 柴山さんの書く詞のルーツというのはどこにあるんでしょう。


ブルースだよね。

やっている音楽は
ハードだけど、自分のルーツはブルース。家にいるときに聴くのも古いブルースとかカントリーミュージックばかりだし。ダブルミーニングとかもそうだし。
ブルースマンっていうのは、他人の歌を歌わないんですよ。傍観者の詞っていうのは殆どないんですよ。

 もう一度歌いはじめるまで
 
- 5年間のブランクを経て、バンドを始めることにしたわけですか。


いや、センチメンタルフールっていうソロをやって、レコードを作らないかって話があって、ライヴしなくっていいならいいよって2枚くらい作って。


- なんでライヴは嫌だったんですか。


自信がないっていうか、鬱陶しいっていうか。一回離れちゃうと、元のところに戻るには、相当の覚悟が要るから。過去の自分と較べても、格好悪くなる可能性のほうがどっちかといえば強いわけじゃない。そういうのを人に見られたくなくて。
センチメンタルフールってロキシーミュージックみたいに打ち込みとか多用して、きっちり作る感じだったんですよ。全然自由じゃなくて。それでストレス溜まっちゃって、もっとフリーな音楽がやりたいなって思ったときに、ライヴがやりたくなった。
シーナ&ロケッツに「ドリーム&レボルト」ってアルバムがあって、それをプロデュースしたんですよ。その第2弾として用意していたコンセプトがあったんですよ。でも、プロデュースが1枚で終わっちゃったんですよ。それでせっかくのアイデアが余っちゃって。で、これをどうしようか、自分でやろうかと思って。で、RUBYを作って。
作った曲もよかったし、そのころは身体も戻ってライヴが出来る体型になったからライヴをやろうかと。

- RUBYは解散したんですよね。

うん、RUBYもSONHOUSEと同じで、何処か変なところに嵌り込んじゃって。

- でも、そういうジレンマに陥るのって、真面目すぎるからでは。

いや、誰でもなると思うよ。日本人ってそれだけ想像力がないっていうか。ものを持ってきて、それを材料によりきらきらしたものを作るのは得意だけど、大元になるものを作るのは下手だから。


 
あと、国が小さいせいで市場そのものが狭いじゃない。だから余計なことばかりしないと生活出来ないじゃない。例えば他のタレントのバックをやるとかね。そんなふうに、幾つもを同時になんてやれないでしょ。自分の本当にやりたいことはここに置いておいて、みたいな器用なことは普通出来ない。少なくとも俺は出来ないから、そういうところに陥っちゃうんだろうね。
疑問を持たなければ、ジレンマに陥らないんだろうね。で、小室哲哉とかつんくとかになれるんじゃないの。あの人たちには音楽的な才能はあるのかもしれないけど、本当のルーツみたいなものはないと思うんだよね。
俺にとってはブルースがルーツで、何かあればそこに帰ることが出来るけど、あの人たちは行っちゃったら帰るところがないから、行くしかないんだろうね。それに違和感もないんだろうしね。まあ、人のことだから判らないけどね。
ただ、自分はそういう違和感が恥ずかしいし、それが嫌だから、折に触れて立ち返って、直そうと思うだけで。


Toshiyuki Shibayama Official Website : http://homepage2.nifty.com/boogiechillen/
interview : t_i n
photograph : Allen Gilman
柴山 俊之
伝説のバンドSONHOUSEのオリジナルメンバー。
ニックネームの“菊”は白波五人男からだとか。
作詞家として千曲以上の楽曲に参加。
現在Zi:LiE-YAを率いて活動中。
 
Zi:LiE-YA
Vo. 柴山(菊)俊之
G. 澄田 健
G. 山下 タツヤ
B. 穴井 仁吉
D. 大島 治彦
CD Information
癒しの時代にトドメを刺せ。2004年4月25日NEW RELEASE !
Zi:LiE-YA First Album
CAPTAIN TRIP RECORDS
2947yen (IN TAX)。
Zi:LiE-YAのオリジナルを中心に、これ迄柴山俊之が拘ってきたアーチスト、BAND(SonHouse、シーナ&ロケット、ルースターズ、アン・ルイス、etc)のナンバー(セルフカバー)を、ヘビーでポップなロックン・ロール・サウンドで甦らせます。
Live Infomation
4月10日(土)
   京都 磔磔
4月24日(土)
   下北沢 CLUB251
4月30日(金)
   福岡 CB
5月2日(日)
   大阪 ファンダンゴ
5月3日(月)
   名古屋 TOKUZO
5月4日(火)
   清水 JAMJAMJAM
5月15日(土)
   千葉 LOOK
5月16日(日)
   下北沢 CLUB251
SPECIAL LIVE !!
祝めでたや菊祭り
チンドン三昧ボボ三昧
2004年6月9日(水)
下北沢 CLUB251
春歌
(柴山俊之、下山淳、Dr.kyOn、池畑潤二)
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
(中川敬、奥野真哉、河村博司、内海洋子、 樋野展子、中西智子)
OPEN 19:00
START 19:30
前売 \3,500
  当日 \4,000
 (双方とも+ドリンク代)
   
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