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スティーヴ エトウ  ( 二枚舌/デミセミクエーバー )
Interview 1/2   Crossroad of 27
 爆風銃、そしてPINKへ

―それまでは割りと1人楽しんでる感じだったんですか。

いや、楽しみもせず、楽器はホコリかぶってたに近いですね。何もせず、特に。

―色んなものがあって、それによって音色が変わるじゃないですか。そういうものは増やしていく感じですか。

試したくて増やしていく感じですか。
キリがないんで最近は増やさないようにしてますけどね。例えばギターの方は一本のギターを、俺のギターを極めますよね。

―時間かけて作っていくって形ですよね。パーカッションは音色の数だけ物が必要になりますよね。

パーカッションの人は皆ごちゃごちゃごちゃごちゃ持ってきますよね。僕逆に今減らそうとしているんですよね、もうなるたけ。

―1人でやるのと、バンドの方と一緒にやるのと感覚的に違うものですか。

それはもう全然ですよね。ソロは修行のつもりでやってますから。こういうこともしなきゃいけないかなみたいな。楽しんでやっているんですけどね。
基本的には自分ていうのは判官贔屓なのでサポートの立場が好き。つまりバンドやってても、まずはヴォーカリストがいて他はサポートですよね。
でも、それだけでもなかろう、たまには自分が真ん中に立ってやっていくこともしなきゃいけないなって思って。それでソロ・アルバムを出したときに、ああいう映像も作ってライブ始めたんですけど。それも人と組むのが面倒臭かっただけで(笑)。

―スティーヴさんがバンドに参加って形になったのは爆風銃が最初ですか?

爆風銃が最初ですね。それまではサークルにいた訳ですよ。サークルのバンドのお手伝いで、一応メインのバンドみたいのありましたけど。それも別に活動っていったって、学園祭出たり、たまにヤマハのコンテストに出たいとかそんな活動でしたから。


―ヤマハのコンテストでは賞も取ってらっしゃるんですよね。

そうなんですよね。たまたまちょっと派手にやってたもんで、パーカッショニスト賞っていうのを急に作ってくれて賞状もらいましたけど(笑)。

―コンテストに出るっていうのは、自由なスタンスでいたいっていうスティーヴさんにとっては窮屈なものですか? それとも面白いものですか?

その頃ちょっとだけ職業としてやってみたいかなって色気が出てきた頃だったから。何かきっかけがあれば、みたいな。ただ僕が大学生の頃っていうのは僕達の一世代上の、例えば(村上)ポン太さんであるとか後藤次利さんであるとかのスタジオミュージシャンというものが目標とされていた時代で。曲をどんどんどんどんこなすというのがプロだったという。バンド思考の今とはちょっと違いますよね。

―パーカッションをやっている人でこの人はかっこいいなとか、こういう風になりたいとかそういうモデルになるようなアイドルな人はいなかったんですか。

昔いたんですよ。サンタナのパーカッションをやっていたホセ・チェピート・アレアスっていうティンバレス奏者がいたんですよ。今どこにいっちゃってるんだか、ある瞬間に消え去ってしまったんですけど。その人はかっこいいなーと思ってたんですよ。ラテン・パーカッションて陽気で脳天気なイメージなんですが、彼はちょっとアウトサイダーぽいっていうかロックっぽくって、不良ぽかったんです。そういうスタンスってあるんだーって。かっこいいなーと思ってもスタイルを真似た訳でもないんですけど。ちなみにアイドルはKISSとチェッカーズですよ(笑)。

―どこかに書いてらっしゃいましたね。ポップなものがお好きなんですか?

それはやっぱり父親の血を受け継いだんだと思うんですね。父の曲は所謂邦楽のチントンシャンというよりもずっとリズムがあってビートがある音楽なんですよ。メロディーも口ずさめるような。

―今は和楽器でそういうポップスとかロックに近いことをやってらっしゃる方々もいますが。

そういうのでもなく、音は純邦楽なんですけど、メロディーだとか全体の組み立てとかっていうのがちょっと違うんですよね。歌えるメロディーっていう。所謂邦楽の間(ま)がどうこうっていうんじゃなく、ずっとポップな人ですから。

―KISSとチェッカーズっていうのはある意味趣向が判りやすいですね。

判りやすいもんが大好きなんです。

―KISSって聴いてらしたのはいつ頃なんですか?

もちろん高校んときですよね。武道館に観に行って、もうびっくりしちゃったなっていう。

―パフォーマーとして成立していますよね。

知れば知るほどヘッドの2人が非常に賢くて、抜群のプロデュース能力で曲を作ったり。曲も単にロックンロールを作っているだけじゃなくて、高校生がバッと聴いてかっこいいと思って、学園祭ですぐコピー出来るようにわざとちゃんと作ってたり。微妙にソロは難しいみたいな。これは戦略的で凄いなーと思って。

―KISSもチェッカーズもきちんと構築しているイメージですよね。

非常にプロデュースされているっていうか、よく考えられたものですよね。

―作りこまれた上で、それが物凄く手間暇かけたのに、ぱっと見凄く素朴な料理みたいな。そういうものがお好きなんですか。

そういうのが好き。だから未だに勢いだけみたいなってのは不得意。だからパンクとかあんまり惹かれたこともないですね、やっぱり。今聴くとなるほどね、格好いい音だなって思えるんだけど、当時ああいう熱いものに共感したことがないし、今もあまり。

―バンド組んで皆でっていうのはないんですね。

皆でやろう! はあんまりないですね(笑)。デミセミに関しては解散する理由がないしねーっていうそういうノリで。

―皆さんそれぞれ活動して、スケジュールが合えばやろうみたいな。

やってりゃいいじゃんて歌のエミ(・エレオノーラ)ちゃん自身が言ってますから。そうですよねー、ぐらいの。じゃあ今年は縁がなかったんだなって。年末にフミヤの武道館イベントに出るのがほぼ一年ぶりで。

―フミヤさんの方が年下ですか。

フミヤの方が年下です。彼らは実はヤマハのコンテストに出てて、僕は全然違うバンドで東京で一応賞だけもらって、そこで終わったんですけど、仲間内のバンドがいくつも出ていたので全国大会のLMCに行って応援がてら観てたら、ジュニアで優勝して出てきたのがチェッカーズで。ぎりぎりジュニアだったらしいけど。。。
「ジュニアでグランプリのチェッカーズです!」って、スーツ着てドゥーワップみたいのをやってて、可愛いじゃんとか言って見てたんですよ。暫くして、あの『チェッカーズがデビューしたらしいぜっ』て。テレビ見てたらいきなりなんか、前髪や衣装ピロピロになって踊ってるじゃないですか。今にして思えばギターのトオルなんか無理な格好じゃないですか(笑)。どうみても無理だろうって。わー、芸能界って大変なんだな、くわばらくわばらと思ってたんですよ。そんな印象だけだったんですけど、数年後、フミヤの弟の尚之君のツアーに土屋正巳さんに誘われたんです。チェッカーズは面白いですよーって。あの人ミュージシャンとしても大好きだったんですけども、じつは大のエンターテイメント好きで、例えば宝塚とか大好きなんですよ。その人が言ってるんだから、面白いのかなーと思って、観に行ったらめちゃくちゃ面白くて。それ以来解散まで見続けることになっちゃったんですけど(笑)。もう大好きになっちゃって。未だにメンバーとかとね、フミヤとか一緒にツアー回ってるし、トオルとか皆友だちなんですけど。1対1で話している分にはいいんですけど、2人いると段々ソワソワしてきて、3人いると引いちゃって遠くで見るような感じになっちゃうんですよ(笑)。いいです、こっから見てますって(笑)。3人以上いるとチェッカーズ度が増えていくので、段々緊張していくっていう話なんですけども。

―チェッカーズっていうのは、バンドっていうものを商品として日本できちんと出したバンドですよね。

ですよね。ライブを観て何がいちばん凄かったかというと、彼らはその頃絶頂のアイドルですから、ちゃんと自分達の役割を解っていて、お客さんたちのキャーキャー言うのをちょろちょろっとくすぐってあげていて。でもよく音を聴いていると、その頃の先端とも言えるハウスをやっていたりとか、延々グルーヴものをやってたりとか。ホワイトパーティーってタイトルだっけ?行ってみたら会場、武道館中が白いんですよ。なんだろう、これ?宗教っぽいぞとかって思ってたら、実はそこに巨大なプロジェクターが四隅に置いてあって、お客さんにドラッグビデオ投影してたりする訳。武道館中がグニョグニョになってる(笑)。こいつら狂ってるなって(笑)。

―観客の服がスクリーンになっているってことですか。

そういうこと。その頃はネットとかないですからね。ラジオとかの呼びかけとかそういうので、お客さんもなんだかわかんないまんま白い服着てきたんでしょうけどね。

―それは凄いですね。ちょっと想像するとくらくらしそうですね。

くらくらしましたよ、あれは。びっくりしました。勿論今ほどプロジェクターとか光量ないですから、なんとなくグニョグニョしてる感じでしたけど。
でも当時はびっくりしましたね、その発想とか。もう一生ついていきますって感じでしたね。

―それで今もお付き合いがあるんですね。


お付き合いもありつつ。プロとしてのスタートは爆風銃やっている頃。渋谷のEgg-manに友人バンドのお手伝いで何回か出ていたら、そこのエンジニアの人が「知り合いがパーカッションの人探しているんだけど話聞いてみる?」って。それで会ってみたら、西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」の頃のツアーのお話で。そのとき僕は全然アマチュアだったんですけど、それに参加して。ああやっとギャラを貰えているって。

―結構トントン拍子ですよね。あまりガツガツしないうちに。

元々ガツガツな性質じゃないんですけど(笑)。そもそも「プロになるぜ!」っていうのがなくて。楽器運ぶのがリュックじゃ辛くなっちゃたんで、軽自動車のバン買ったんですよ。30何万くらいの。取りあえず買っちゃったから、この分くらいギャラもらったら十分かなと思っていたら、もうちょっと大きいのに買い替えちゃって、じゃあこの分くらいって(笑)。やっているうちになんとなく。自転車操業で転がしているうちに現在に至る、みたいのもあるんですけどね。
西田敏行さんに誘われたチームがある種プロデビューで繋がりだした最初ですね。そのバンドで次にキョンキョンのデビューツアーで。そっから彼女とは長い付き合いになってしまいました。

―彼女もプロデュースがちゃんとしているアイドルって感じですね。

ですよね。ある瞬間からポキンて変わりましたよね。最初のデビューツアーはほんとにアイドルでしたから。パチンパチンのまん丸でしたからね。
で、爆風銃がなくなって、PINKっていうバンドになったんですね。

―いまだに皆さん活躍されていて。

ええ。PINKは一般受けはしませんでしたけど(笑)、業界やミュージシャン受けはいいんですよ。今聴いても良くできているんですよ。

―全然古さがないですね。

特にドラム、ベース、キーボードは感心ですよ(笑)。でも、あれもバンドやろうぜで始まってないんです。どこだっけな? 新宿のどこかに新しくスタジオが出来たんですよ。スタジオを新しく作ると、適当にバンドとかミュージシャンを呼んでデモ録音をして、スタジオのチューニングとかするんですよね。それでたまたま歌の福岡(ユタカ)とそれからホッピー(神山)、それからそん時はドラムがShisho-nenの友田慎吾。でベースが沖山ゆうじ君。6人いました? あ、僕がいない(笑)。そのメンバーで音を録って、出来が良かったんでバンドにしてみよう、ライヴやってみようぜってことで始まってて。あ、ギター忘れてた。鈴木賢治でした。
あるライブの日にドラムの友田慎吾とベースの沖山君がなんか都合で出られなくて、トラ(=代役)でドラムの通称カメと岡野(ハジメ)が入ってきまして。1回ライブやったら、こいつらの方が派手でいいじゃんてその場で変わってしまったという(笑)欧米並みに無茶苦茶な。シビアっていうか無茶苦茶な感じですよね(笑)。

 
―それまではセッションをやっている感じに近いんですかね。

でも一応「おピンク兄弟」という名前をつけてバンドっぽい感じにはなっていましたけどね。でもこいつらのほうがいいやってその場で変わってしまうバッサリ加減は凄いですよね。なかなか人でなしな感じで。言い換えれば音楽に対してどん欲だったんだと思います。
それからPINKって名前に変えて、EPICでシングル2枚、その後アルファムーンでアルバムをポロポロ出して。流れるまま。ある意味無法ですよね。音楽的志向の高さとライブパワー感と、それが全部揃ってるんだーって。凄いですよね。あまり例がないんじゃないかと思ってしまう。

―そんなに活動期間は長くないんですよね?

でも5年くらいやってるんですよ。じゃないかな?違うかな。よくわからないですけど。
その頃丁度BOOWYだのレベッカだのバービーだの米米だのって、そのあたりと一緒にイベント出てたんですけど、(売上が)2桁違っちゃいました(笑)、結果は。ま、いっかみたいな。

―PINKの方には失礼な言い方をすると、バンドで活動しているより1人1人で活動している方が稼げちゃうような方々でしたよね。

でしたね。バンドとしては全く。その頃に僕はバイトしてましたから。

―そうなんですか? 何をやってらしたんですか。

宅配やってみたり……。バンドって拘束が多くなるんですよね。ツアーが中心の私は御仕事を取れないんですよ。ミュージシャンとして独立すれば僕こんなことをしなくても食えるはずなのになって。で「すいません、辞めます」って、先に抜けました。抜けてすぐにキョンキョンと2度目の付き合いがあったんです。




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[スティーヴ エトウさんの快適打楽器生活] http://www.dog01.net
 
スティーヴ エトウ
4月20日ロサンジェルス出身。PINKでメジャーデビュー。その後小泉今日子、藤井フミヤ、及川光博などのツアーサポートの傍ら、デミセミクエーバー、二枚舌等で活動。

二枚舌
Percussion スティーヴ エトウ
Keyboard D.I.E
Guitar Atsushi
Bass kenken


CD Information
二枚目
2005.06.08 release
2MJT-002
\2,000(TAX IN)
1.くの一 NANCY
2.ドラゴンズ
3.おいた
4.SLAPPY HAPPY
5.サヨナラクレイジー
6.湘南
7. カルロス・バンデラス
8. 俺と兄貴とピヨちゃんと
9. 俺は導火線
10 デスぴよ
11 エピローグ

Demi Semi Quaver
Vo: Emi Eleonola
B: 横山keith英規
G: テラシィイ
Dr: 中幸一郎
Violin: 勝井祐二
Perc Steve Eto

CD Information
Dog Bless You
2003.4.14 release
AFT-00006
\2,940(TAX IN)
1.マジョカンノン
2.DOG WITH YOU
3.心臓
4.LOLITA!
5.HAPPY MONSTER
6.牛
7.CAMELLIA CANARY
8.ハッピーバースデイ人間

Live Infomation

10/22

バナナホール
  はぶナイト
11/3、4 草月ホール
レナード衛藤 2 Days Live "Blend ver.2"
11/6 初台DOORS
  二枚舌
11/22 高円寺JIROKICHI
DIDGERIDOO MAGIC
DVD Information
スティーヴ エトウさんの
DVD本 Vol.2
\2,500(TAX IN)
interview : t_i n
photograph : YUKI
 
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